「植物と日光」たたき染め の授業シナリオです。
これは2020年に実際に行った授業を書き起こしたもので、
当時はコロナウィルス感染防止の観点から話し合い活動、およびグループによる実験は行わない、
等の制約がありました。予めご了承ください。
第1時のシナリオはこちら。
内容
1.“>画像を映して始めることも
3.“>たたき染め
5.“>結果を書いたら
全員起立! で授業を始める
開口一番、指示します。

はい、全員立ちましょう。
すっくと立った子どもを大いに褒めます。(これ大事)
遅れて立つ子は、これ以後減っていきます。
発芽に日光は必要ありません、でしたね。
なぜか、言える人は座りましょう。
前回の授業のおさらいです。
しかしながら、答えられる子どもは多くはありません。
こんな投げかけもできます。
ver.1 発芽の条件を3つ言える人は、座りましょう。
ver.2 発芽で使われる養分とは何ですか、言える人は座れます。
いづれにしても、
答えが分からない子どもは、座るわけにはいきません。
その場に立ち尽くしています。
授業者は一刻も早く、彼ら彼女らを救ってあげなければいけません。
まず、座らなかったことを褒めます。

君たちは、えらい。正直ですね、さあ、座りましょう。
(座ったのを見届けてから)
先生なんか、答えが分かんなくもすぐ座っちゃいますよ。
どうせ指されないし。
当たるのは35人分の1の確率ですからね。(笑い)
そのあと、先に座っていた子ども達を当て、答えを言ってもらいます。
但し、正解を言ってくれるかは分かりません。
このようにして前時を振りかえらせます。
画像を映して始めることも
授業をどのように始めるかは、決まっているわけではありません。
臨機応変、その時その時で変えます。
以下は、「植物と日光」たたき染めの授業 を画像提示から始める場合です。
授業開始の号令がかかったと同時に画像を映し、問います。
画像:インゲン豆を割った図

(子葉を指して)
この部分を何と言いましたか、言える人は立ちましょう。
立っている子ども達が言います。 C:子葉です。

そうです。 ところで 子葉って、なんだっけ? 言える人は座ってごらん。
意外と説明ができないものです。ほとんどが、立ち尽くしています。
授業はテンポが大切。
こちらからさっさと言ってしまいます。
画像:日陰で育てた植物

子葉というのは、最初に出る葉っぱのことです。
さて、この写真の植物は、ひょろひょろしてますね。それに対して・・・
画像:日光によく当てた植物

この写真の植物は、よく育っています。どういうことでしたっけ?

育つのに必要な養分は、葉に日光が当たることで作られるからです。

葉っぱで養分を作っているのでしたね。その養分って、何でしたっけ?
授業の始まりは、体育の準備体操の如く、前時の振り返りをします。
映像を使って行うとスピーディーです。
使うものを見せる
「植物と日光」たたき染めの授業 のメインは、実験です。
葉にでんぷんができているかは、ヨウ素反応をみればいいのですが、
それをどのようにするか、
前時のおさらいをしたら、それを調べる方法に話をもっていきます。

教科書〇ページを開きましょう。何が書かれていますか?
C:「たたき染め」の方法です。
「準備する物」と書かれたところに指を置かせ、声に出して読ませます。
声を出させることで、これまでの授業の空気を変えます。
次に、「準備する物」の実物を見せます。
濾紙、木槌、エタノール、ヨウ素液です。
たたき染め
「たたき染め」の写真が教科書に出ています。
それを代表者にやってもらうことにします。実験の仕方は、見て知るのが一番です。


では、やってもらいましょう。 〇〇さん、どうぞ。
これは、さっきとってきた「ただの葉っぱ」です。
でんぷんの反応が出るかどうかは分かりません。
濾紙と板とではさんだ葉っぱを手渡し、木槌で叩いてもらいます。
葉をはがし、その濾紙をビニルの小袋に入れるまで、やってもらいます。
一つ一つ指示しながら、みんなが見ている前でさせます。
気負って力いっぱい叩いた子がいて、
葉の形をとどめないくらいに潰してしまい、その有様に笑いが起きます。
「選手交代!」と告げると、われもわれもと手が挙がります。
葉を入れたビニル袋を子どもから受け取り、エタノールを注ぎ入れます。

エタノールというのは、注射するときに腕に塗る、スーッとするあれです。
毒ではありませんが、飲んではいけません。
これを湯に漬けて温めると、濾紙から緑色が抜けてきます。
また代表者を選び、前に出てきてもらいます。
今度は、水で洗った葉をヨウ素液に浸し、
「こうなりました。」と言いながら、葉をみんなに見せるよう指示します。
この「たたき染め」を次回、理科室で全員に経験させます。
従って、日光に当てた葉を自分で準備することになります。
濾紙は、あらかじめ配布し、記名させておきます。
実験する前に結果を知る
「たたき染め」の仕方が分かりました。が、授業終了には未だ時間があります。
そこで、この実験の結果を教科書で見ておきます。
T:ヨウ素反応を確かめている写真に指を置いてごらん。
ペアの子ども同士で写真を確認します。
たたき染めをした結果がどうなるか知ることで、自分の実験活動の指標ができます。

教科書に出ている結果をノートに書きましょう。
どのように書いたか、数人にノートを読んでもらいます。
表現の仕方はそれぞれ。上手な子もいれば不十分な子も。
そこで、シンプルな書き方を教えます。

ア・・・変化なし
(朝、葉にでんぷんはできてなかった。)
イ・・・青紫色
(日光に当てるとでんぷんができていた。)
ウ・・・変化なし
(日光に当てないとできていない。)
結果を書いたら

結果を書いたら次は何をしたらいい?
「考察です」と子どもが言ってくれたらすばらしい、とほめます。
その発言を引き取って、この結果から分かったことを書きましょう、と投げかけます。
これはさほど難しくはありません。だいたい書けます。
気が付いたことを発表する子がいました。

教科書はジャガイモの葉っぱで調べてますが、
他の植物もでんぷんをつくっているのでしょうか?
他の植物はどうなのか?
このような発想をする子どもは大いにほめたいです。

すばらしいことを思い付きましたね。他の植物もでんぷんをつくっているのかな。
みんな、どう思う? 目のいい人は分かるよー。
このように言うと、子ども達は教科書に目を落とし、調べ始めます。
身の回りの植物(インゲン豆、シロツメクサ、ヨモギ)のでんぷん反応の写真が載っています。
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