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算数の「授業開き」  数字はいくつある?    

T1として5年生に算数の授業をすることになりました。
その、初日はこんな授業から始めました。

この記事が、現場のお役に立てたら幸いです。

数字はいくつ?

Ri-せん

数字って いくつありますか?  

すぐに挙手がありました。
ごめんね、いろんな人に聞いてみたいから、と言って
列指名していきます。

・分かりません。
・たくさん、あります。

そのうちに「無量大数」とか「無限」などというのが出てきて、
よく知っていますね、とほめていると、すっと手が挙がりました。

数字は、1から始まって9までで9個。0を入れると全部で10個です。                

数字はたくさんある

首を傾げている子どもがいます。

数字は10個って?

そこで、発言を引き取って説明します。

T: 物の数を数えるとき、1から始めて1、2,3・・・と数えていきますね。
   こういう数を自然数と言ってます。覚えなくいいですけど。
   では・・・

算数の「授業開き」

1~9の数に0を加えたものを
何と言いますか?

即座に「整数」という言葉が返ってきました。           整数 – Google 検索

Ri-せん

「整数」という言葉は、すでに習った学習用語です。
さて、
0と1~9の10個の数字を組み合わせると、
無限に数の大きさを表すことができます。
ですから、数字は10個と言っていいですか?・・・ダメですよね。                     

数字はたくさんあります、と言って板書していきます。

T: アラビア数字は、 「算用数字」とも言います。

T:「漢数字」 というのもありますし、 「ローマ数字」というのも見たことがあるでしょう。
  
T: 今では使われなくなった数字もあります。
   そういう意味では、「数字はたくさんある」という答えになるでしょうか。                          

切ったら何本?

続けて、問題を出しました。

黒板を全て消して、
ぐねぐねとした1本の長い曲線を書きます。 
子ども達は、何が始まるのだろうかと首を傾げて見ています。

算数の「授業開き」

T: 白い線は、1本の糸とします。
   黄色い線ではさみで切っていくと、糸は、何本になるでしょうか?

子ども達は、
人差し指で空書きのようにしながら数えだしました。

列指名で言わせていくと、
16本,17本,18本,19本・・・といくつか出てきました。

数人に出て来てもらって数えてもらいます。

1本、2本、3本・・・と声を出しながらなぞっていきます。
糸は18本になるようです。

「一言どうぞ」と感想を求めると、
「大変でした」、「数え間違いしそうになった」と返ってきました。

Ri-せん

もっと楽に数えられたらいいですよね。
それを知ったら、算数っていいなぁと思えてきますよ。     

こんな方法は、どうでしょうか? 

と言いながら糸が切れるところで印をしていきました。
その印に番号を付けていきます。

算数の「授業開き」

T: 17か所で切れました。ということは、糸は何本ですか?

C1: 17本です。
C2: え? 18本でしょう?

簡単にして考えてみる

事象を簡単にして考えてみる。
このアプローチの仕方が解決に有効な場合があります。

Ri-せん

ややこしい問題は、簡単にして考えるといいですよ。
先生は、「簡単化」と呼んでいます。                                

T:糸を1回切ると、2本になります。2回切ると糸は3本になり、3回切ると4本になります。

C1:糸の本数は、切った回数に1多くなるんだ。

T: すばらしい! 
   この関係を式にしてみましょう。切った回数をロ。本数を〇とすると・・・?

C2: ロ+1=〇 です。

授業は、ここまで。
終了時間となってしまいました。

このあと、
本当にその式で答えが出るのか
各自、図をノートに書いて確かめるようにするとよかったと思います。

この日の算数の「授業開き」にどんな感想を持ったのか、
書いてもらうつもりでした。

※ 数を当てる(予言マジック)と切ったら何本? という活動は、
  2011年~2015年において研数学館が開催する「算数・数学講演会」にて
  講師の先生方が話されていたものです。
  お陰様で楽しい算数の「授業開き」ができました。
  この場を借りて感謝申し上げます。

            研数学館のセミナーはこちら   一般財団法人 研数学館 (kensu.or.jp)