詩・名文の暗唱100
この目標を達成しました。
と、声高にいうことでもなく、大したしたことではないと思います。
世の中にはそれを上回る、すごい方が沢山いらっしゃいますから。
にもかかわらず、ここにその件について発信するのは、
必要とされる方の役に立つるのでは、と思えたからです。
好きな詩や暗唱できるものをほとんど持ち合わせていなかったそんな自分が、
詩・名文の暗唱100 を目標にやってみたら達成できました。
暗唱リストはこちら https://ri-sen.com/recitation-list/
暗唱について苦手意識をもっていましたが、それはすっかりと解消。
その取組みは、発信していくべきだと思いました。
目次
1.暗唱100 を始めた動機
2.容易でない 詩文100篇の暗唱
3.ウォーキングしながら 暗唱してみた
4.「暗唱」で積極的に脳を使う
5.「暗唱」ウォーキングの仕方
・持ち物は本とスマホ
・持って行くお勧めの本
・本を持っていく理由 1~3
6.詩文の覚え方、そして記憶のチェック
7.暗唱の効果 (生活に張りが出ます)
8.安全に「暗唱」ウォーキングするところ (それは歩道です)
9.健康アプリをスマホに入れる (取り組みのサポート)
10.ウォーキングの仕方
・痛みはシグナル
11.暗唱を授業に取り入れること (学校への提言)
12.暗唱を始めたきっかけ
13.頭を使うから「暗唱」は、やっぱり脳の健康に良いみたい
暗唱100 を始めた動機
100の名文を覚えて卒業する
これは、着任した校長が掲げたある小学校の「学校目標」です。
実に具体的で驚きました。
その取組みは、子ども達の成長に大いに役立つはずだ、と思いました。
そして、思いました。
自分が勤務している学校でも取組みたい、と。
全校で行うのです。
一度始めれば、すぐにやめるわけにはいきません。息の長い取り組みになります。
先生方の仕事をひとつ増やすことになります。
まず、職員会議に趣旨を説明し、協議を経て合意を得る必要があります。
いや、その前にすべきことがありました。
詩・名文の暗唱100 を行うことの大変さを実感することです。
まず自分自身がやってみることが先決だ、と思いました。
容易でない 詩文100篇の暗唱
結果から言うと、職員会議に提案することはかないませんでした。
100の名文を覚えて卒業する という案はまぼろしに終わりました。
自らに課した「詩・名文の暗唱100」は容易なことではありませんでした。
目標達成の前に退職をむかえてしまったのです。
なぜ時間がかかったのか?
詩文78篇まで暗唱したとき、気が付いたのです。
一度覚えたはずのものが再生できなくなっているのでした。
別の言葉に置き換えてしてしまっていることも分かりました。正確ではないのです。
詩文100の暗唱を達成した、と言えるためには、その時点で
全て正しく言えている状態でなければなりません。
暗唱の数を100に近づけていくと同時に、過去に覚えたものを点検する。
途中からその仕方にしたため、詩文78篇を覚えた時点でタイムアウトとなったのでした。
この時、
職員会議で提案する望みは叶わなかったものの、
自らに課した目標「詩文100篇の暗唱」は、熾火のように胸に残りました。
ウォーキングしながら 暗唱してみた
退職して、ウォーキングが日課となりました。
健康の為です。
あるとき、思い付きました。暗唱しながらウォーキングしてみたらどうか、と。
その取組みを始めて1年。
暗唱した数をリストアップしてみたら100を超えていました。
気が付かないうちに 詩・名文の暗唱100 目標を達成! していたのでした。
気を付けたいのが、記憶の劣化です。
ウォーキングをしながら原文通り唱えられるかチェックし、暗唱数100を維持し続けたいと思います。
これは必ずや脳の活性化・老化予防になるはずです。
歩きながら暗唱するので「暗唱ウォーキング」と名付けることにします。
興味を持たれた方は、さらにお読みいただけたら幸いです。
暗唱リストはこちら https://ri-sen.com/recitation-list/
「暗唱」で積極的に脳を使う

退職の前から「ウォーキング」に取組んではいたのです。
その目的は、足腰の鍛錬でした。
山登りを趣味としているので、普段から歩き慣れておきたかったわけです。
そこで毎日、行うようにしてました。
ある日のこと、
ウォーキング中に暗唱をしてみたのです。
積極的に脳を使う習慣にしましょう!
ふと、こんなフレーズが思い浮かんだからでした。
歩きながら暗唱をすれば一石二鳥。体も鍛えられるし、頭も使う。
声に出して諳んじるので、文章のリズムや言葉の響きが心地よく自分の耳に入ってきます。
名文を残した人について知りたい、と思ったり
使われている単語の意味を調べてみようかななどと思ったりも。
これは、物忘れ・認知症予防にも望ましい効果が期待できそうです。
「暗唱」ウォーキングの仕方
家を出たらさっそく暗唱を始めます。
初めに暗唱する詩文があります。自分の気に入ったもので構わないのですが、
私の場合をご紹介すると
現在は、次の5つから「暗唱」ウォーキングを始めています。
これらはウォーキングするさいの「お決まり」の詩文です。

1.幸田露伴の「五重塔」
2.樋口一葉の「たけくらべ」
3.「源氏物語」桐壺
4.古事記
5.日本書紀
初めの5つの暗唱を終え、歩道に着いたら、今度は本を開きます。
題名をちらと見て、次々と暗唱をしていきます。
新しく覚えることもします。レパートリーを増やすのです。
持ち物は本とスマホ
スマホはポケットへ入れます。手提げバッグでもOKです。
本は手に持ちます。

本は必要ないのでは、と思う方もおられるでしょう。
本の内容をスマホで見られるようにできますが、
「歩きスマホ」になり、これはNG。
アブないです。
なお、飲み水(ボトル)は持ち歩きません。
公園の水飲み場で済ますことができます。
持って行くお勧めの本
現在使っている2冊を紹介します。

ひとつは、
「古文・漢文・文語詩の暗唱」
東洋館出版社から発行されています。
もう一つは、
斎藤 孝著「声に出して読みたい日本語」
これは2001年にベストセラーになった草思社の本です。
持って行くのは、1冊で十分です。
本を持っていく理由 1
暗唱をしていると、本を見たくなるのです。
その理由は3つあります。
まず、頭に浮かんでくるままに暗唱していると、偏りが生じます。
浮かんでこないものは、再生されません。
再生されないと劣化し、終いには暗唱できなくなります。
それを避けるために本を持って行きます。
本を持っていく理由 2

暗唱をしていると、つっかかります。
例えば・・・
助詞は「は」か「も」か?
文末は、「ありました。」だったか、
「おりました。」だったか?
曖昧になっていることがあるのです。
ところどころが思い出せない、なんてことが起きます。
そんなときは、その場で本を見ます。
ウォーキングしながら、記憶のメンテナンスをするのです。
このような理由から、本は必ずもっていきます。
本を持っていく理由 3
新しく覚えたくなってきます。
自然にそんな気持ちになります。
新たな暗唱をするためには本が欠かせません。
ウォーキング中に覚えるのです。
本を持っていくのは、このような理由もあるわけです。
詩文の覚え方、そして記憶のチェック
例えば、日本書紀(巻第一)を新たに覚えるのに3~4日を要しました。
文章は114文字(句読点含めて)あります。
原文は漢文ですが、それを仮名混じりにして、るびを振ってあります。
ご覧の通り、正直、取っ付きにくい文章です。
古に天地未だ剖(わか)れず、陰陽(めお)分れず、
渾沌(こんとん)にして鳥子(とりのこ)の如く、
瞑倖(めいけい サンズイ)にして牙(きざし)を含(ふふ)めり。
これを暗唱するには、まず漢字の読み方を覚え、文章の意味を把握します。
フレーズを一つずつ声に出して何度も唱え、頭に入れていきます。
1つ言えたら、2つ目のフレーズを覚え、1つ目と2つ目を続けて諳んじてみます。
このようにしてフレーズをつなげていきます。
全文が暗唱できたら紙に書き出してみます。

筆記具は何でもいいのですが、
私は、筆ペンで書いています。
筆ペンは、慣れるほどに文字が上手くなっていく、ように思えます。
書き終えたら、本文と照らし合わせてみます。
間違いなく書けている、ということはありません。
1週間ほど続けてこのチェックをすると「暗唱できた」状態となります。
かくして暗唱できるレパートリーが増えていきます。
すでに暗唱できている詩文も偶に書いてみます。
チェックをかけるわけです。
大抵の場合、助詞を間違えたり、漢字を誤ったりが見つかります。
メンテナンスは欠かせません。
暗唱の効果 (生活に張りが出ます)
レパートリーが増えていくと、自信がわいてきます。
自分の脳が老化している? とんでもない、まだまだやれる、と。
詩文をひとつ暗唱することは、些細なことかもしれませんが、
取り組んだらできた、という達成感が得られます。
そして、
1冊の本に収められている全ての詩文を暗唱できたら、やったーってなります。
詩・名文の暗唱100 に留まることなく、次の段階へとステップアップしていこうと思えてきます。
「暗唱」ウォーキングは、日々の生活に張りをもたらします。
私にとって、今や欠かすことのできない習慣になっています。
安全に「暗唱」ウォーキングするところ (それは歩道です)
「暗唱」ウォーキングは、車道と分離された歩道で行います。
歩きながら本を見るわけですから。
歩道に出るまで暗唱はしない、ということではありません。
前述したように、初めにする「お決まり」の詩文を諳んじます。
これらは間違えずに暗唱できるので、本を見ることはありません。
「お決まり」の後に挑戦中の詩文を言ってみることもします。そのうちに歩道に至ります。
ウォーキングを安全に行うためのポイントですが・・・

常に顔を上げて歩きます。
前を見て歩きます。
本を見るときは、顔の位置まで本を上げます。
視界の一部に入れるイメージです。
本を見るのは一瞬です。
前方不注意になってはいけません。
詩・名文の暗唱100 は歩道で成し遂げたとも言えます。
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