有田先生の小話2題

タイトル下
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その都度、教える

理科授業では「観察」も大切な学習活動です。
「観察」とはどうすることなのか、その都度教える必要があります。
子ども達の多くが、漫然と現象を見ているからです。

「観察」をさせるとき、その「まくら」としてこの小話をします。
有田先生(故人)が講演会で話されていたことを思い出しながら、書き起こしました。

有田和正先生:筑波大学付属小にて授業を参観。著書多数。とりわけ「〇年生に育てたい学習技能 明治図書」から多くの啓発を受けました。尚、小話を収録した著作も出版されているようです。

有田先生の小話 ①

大学病院での話。
権威のありそうな先生が医学生に話をしています。
実地の授業のようです。

医者にとってよく見る、観察するということはとても大切なんじゃ。
これはうちの病院の患者さんのおしっこ、尿じゃ。
昔は、このようにして診断したもんだ。
今からやって見せるから、お前たちもやってみよう。

そう言って小さなビーカーを学生一人一人に渡しました。
黄色い液体が半分ほど入っています。

今朝、採った患者さんの尿だ。わしがやってみせるから、よく見ておれ。

まず、人差し指でゆっくりとかき回す。
しずくを払って、指を口にもっていく・・・さ、やってみろ。

「えー、舐めるんですか? ほんとにやんの?」
少し嫌がってましたが観念したようです。
人差し指を尿の中に突っ込み、その指を口に入れる学生たち。

  先生、苦いです。こんなんでどんな診断ができるんですか?

ぺっ、ぺっ、と吐き出しているところへ

 お前たちは本当に舐めたのか?
 よくそんなことができるな、わしにはできん。

    だって、先生は、指を舐めてましたよ。

    お前たち、よく見ていなかっただろう。
    わしは人差し指でかき回し、しずくを払ったが、
    口に入れたのは隣の中指じゃ。
    よく見ていないから苦い思いをする、そういうわけじゃ。

「観察」とは注意深く見ること、と辞書に載っています。
また、「察」とは正しく想像し理解する、とあります。

目でしっかりと現象を捉え、そこから考えることが理科学習では大切です。

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