MENU

算数5年生 数直線の「2.3m」ってどこ?  

初任者研修の指導資料として過去に作成したものを今回リメイクし、
ブログ記事にして、発信することにしました。

現場の先生方の、授業づくりの参考になりましたら、幸いです。

概要

T.T. (team teaching)のT1として5年生の算数授業をしていました。


以下は、
「数直線を読む」授業と
「立体の体積」の単元を、長さの単位から始める導入部分の様子を内容としています。

目 次

1.数直線の「2.3m」が指せない

2.どっちが長い? →Jump there.

 どっちが広い?

3.新しい単位が要る →Jump there.


関連のコンテンツ

1.数直線の「2.3m」が指せない

5年生の算数授業、数直線を読むという活動の1場面である。

まず作業指示をする。

Ri-せん

数直線を読む、という勉強をしましょう。
ノートに10cmの直線を引きますよ。先生と一緒に書いていきましょう。      

1cmごとに区切りを入れる。

左端は0。
右端には、23mと書くように指示する。

黒板にはこんな図(右図)が書き上がっている。

次に、列指名。
前に出てきた4,5人に指示する。

Ri-せん

2.3m は どこでしょう。指してごらんなさない。          

子ども達が席に戻ったところで、正解者の発表。
「正解者はゼロです。ざんねーん。」

自分こそは、と何人かが手を挙げ、チャレンジ。 
どの子も「この辺りだ」と言う。

最初に指名された4,5人とどこが違うのだろうか、
微妙さに拘っているらしい。

学級の全員に問うてみても、同じ。みんな間違えている。(というか、見落としている。)

授業者の性格が問題になるが、
こんなときは、してやったりで、うれしくなってしまう質(たち)だ。

それが顔に出ないようにしながら尚、待てども一向に誰も気が付かない。
皆さんなら、こういう場合、どうするだろうか?

授業後の振り返り

どうするとよかったのか?

授業を振り返ることが大切だ。
次の発問が浮かんできた。

T:なぜ、そこを2.3mだ と思うのですか?

すると、子ども達はこんな反応をするだろう。

子ども

2.3mは、2mと3mの間にあります。だからめもりの2と3の間です。                   

そこで一言。にこやかな表情をたたえながら・・・ 

Ri-せん

なるほど! そうすると、ここ(4めもり目)は4mになるね。        


依然、当たり前だ、という顔。
じゃ、ここは5mだし、ここは・・・と続けるうちに子ども達の「あっ」という声がし出すはずだ。

子ども

10めもり目は10mじゃなくて23mになっている。
・・・ということは、23を10等分したところ、最初の目盛りが2.3mだ。


この数直線図は、教科書に載っている。

さりげなく描かれているから、アブナイ。
子ども達は、どっこい、読めていない(理解していない)。

2.どっちが長い?

 <単位を決めて、そのいくつ分で表している。>  
授業の中で、そう言えたらすばらしい。ぜひ、全員に言わせたいフレーズだ。
これは、B領域「量と測定」を貫く基本的な考え方だ。

まず、こんな「もの」を見せて、問う。

T:どっちが 長いでしょう。

一人ずつ当てていく。
最初の子どもが「左です」と言う。

左、左、左・・・と続き、しばらくして
「右が長い」とか「同じ」などが出てくる。

「分かりません。だって端が隠されているもん。」
こんな反応が最初に出てしまうと授業はおもしろくない。

もしも、出てきたら
どうして端を見たいのか聞くとよい。長さを比べるときの基本をきちんと話せるだろうか。

次の年に、同じ内容で授業をしてみた。
すると、その年の5年生は違った。端(はな)からこう言った。

まだ隠されている。その紙を取らないと分かりません。     

なかなかいいセンスをしている。

こうするのかな、と紙をめくってみせる。
一見、左が長いように見えるが、すき間が長めになっている。

実は、
この問いには「落ち」があって、同じ長さにしてあったのだ。
な~んだ、と子ども達。

そこで、改めて問い直す。
T:長さはどう表すのでしょう。

途端に子ども達は戸惑いの表情を浮かべる。
1cm(長さの単位)がいくつ分、 と答えてもらいたいのだが、そうはいかない。

そもそも問いがよくない。だから、自分(授業者)が言うことになる。
落ち込んでいる場合ではない。さっさと次に行くことにする。

物を出すと切り替えられる。   

どっちが広い?

正方形と長方形を並べて提示する。

T:どっちが広いでしょう。

反応は、3つに分かれる。
「同じ」が最も多い。直感らしい。

ある子が、「重ねていい?」と聞いてくる。

おー、なるほど。
重ねるとタテと横に1列分の違いが見えてくる。

だから、面積は同じ。 いや、右(長方形)の方が、正方形1つ分少ないみたい。

少々やりとりが続く。
実は、正方形は(5×5)、長方形は(4×6)に作ってあります、と告げてマス目の紙を提示する。

これなら分かる。
マスの数が25と24だから正方形が広い。

そこで、問う。この紙の広さ(面積)は どう表すの? 

「1㎠ がいくつ分です。」などと子どもは絶対に言ってくれない。
直前に「長さ」で同じことをやっているのに、である。 

「たて×横」で求めます。 それは、平方センチメートルで表します。  


などと言う。
「基本とする単位がいくつ分で表す。」というようなことを言うには、類似の学習を重ねてからかもしれない。

3.新しい単位が要る

ここまで来て、やっと5年生の中身である。

3枚目の図を提示する。
ここで「新しい単位がいる」と言わせたい。      

T:どっちが大きいでしょう。

子ども達は、「同じ」と言う。
理由がおもしろい。(失念した)

次に
かさ(体積)は、どのように表したらいいのか尋ねた。
「さいころみたいな形で比べる」という発言が返ってきた。

※「授業通信」は、ここまで。この授業の続きは執筆されていない。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!