バス遠足についての記事です。
現場のお役に立てたら幸いです。
1.バスの中が「教室」です
バスの中で
子ども達をどのように過ごさせているでしょうか。
次のうち、どれかだと思われます。

A 何もしない。
単なる移動の時間である。
子ども達は、車窓からの風景を眺めたりおしゃべりをしたりして過ごせばよい。
B ビデオを見せる。(特に、帰りのとき)
車内が静かになって、疲れている子は休める。
ビデオを見るのを楽しみにしている子どももいる。
C マイクを手にしてバスの中を仕切る。
バスでの移動中も学びの時間と考える。そのときにしかできない活動をさせる。
私は、Cです。
遠足では「バスの中が教室」であると考えます。
「教室」とは、何らかの指導がなされている場(時間・空間)のことです。
そのように遠足的行事をとらえるならば、
引率している担任教師が「何もせず」子どもの自由に任せている、
遠足と何ら関係のない内容のビデオを見せている、というのはありえません。
ところが、
聞くところによると、帰りのバスでビデオを見るというのがイマドキはフツーらしい。
なぜそうなったのか?
バスの中でどのように過ごさせべきなのか、引率者が考えていないからではないか?
そうした学校文化みたいなものが若い教員に伝わっていないのでないか?
もしかしたら、バスの中での過ごし方など、
自分の仕事ではないと思っているのかもしれません。
過去を振り返れば、
30年くらい前まではバスガイドさんが添乗していました。
乗車時の挨拶に始まって、
子ども達に話しかけたりクイズを出したりして楽しく過ごさせていました。
中には、
子ども達との一期一会の出会いを大切にされ、別れ際に涙を浮かべる方も居ました。
自らの仕事のもっとも大切にすべきことを一つ一つ追求している人だと思いました。

それが今や、ワンマンでの配車運行です。
バスの中を仕切る人はいません。
先生の出番到来、というより本来の形になったというべきでしょう。
遠足においては「バスが教室」。
仕切るのは教師です。
2.まずは、諸注意から
子ども達がバスに乗ったら人数を確認します。
運転手さんにはマイクを2本出してもらいます。
一つは、バスの中間あたりに接続、
もう一つは、引率教員用としていただいて、第一声です。

みなさん、おはようございます。
今日の運転をしてくださるのは〇〇さんです。挨拶をしましょう。
元気な声で「よろしくお願いします。」と言わせます。
次に、諸注意をします。
1.窓は開けません。
手や足を出してはいけません。お尻なんかを出すとYouTubeで世界中に流されてしまいます。
2.席を離れての立ち歩きはできません。シートベルト着用です。
3.合図があるまで、飲食はできません。トイレに行きたくなったら困りますよ。
4.バスのゴミ入れは使いません。運転士さんの仕事が増えてしまいます。持ち帰ること。
5.自分だけで楽しんではいけません。
笑わせようとして下品なことを言う人がいますが、そんなことをしてはいけません。
6.困ったことがあったら、手を挙げて教えてください。



このバスに誰が乗っているか、よその人にはすぐに分かります。
バスのフロントガラスに学校名が出ていますからね。
みなさんの行動に何かあれば、
〇〇小の子どもだ、となってそれは学校の問題になります。
遠足が安全で楽しいものになるよう気を付けていきましょう。
バス酔いをする子どもがいます。
事前に指導しておきますが、改めて注意しておきます。
ポイントは、吐瀉物でバスを汚さないこと。
間に合わない場合、その処理は確実に引率者の仕事になります。
その臭いで連鎖が起こることもあります。


ビニル袋をすぐ取り出せるよう指示します。
もしも、失敗してしまったら
「自分で片付けてもらいます、先生は手伝いません」と宣言しておきます。
(もちろん、口だけですが。)
3.健康観察をする
諸注意をしたら、健康観察に移ります。



これから健康観察をします。
マイクを回しますから自分の名前を言ってから
何か一言言ってください。 では、先生から・・・
先生です。
今朝、早起きして自分でお弁当を作りました。
おかずは朝ごはんと同じ卵焼きなので、あんまり楽しみはありません。
以上。
では、隣に座っているちょっと眠そうにしている〇〇先生!
朝が早かったのでしょうか、健康観察のスピーチお願いします。
話し終えたら、次の人に「〇〇さん、どうぞ」と言ってマイクを渡すようにします。
バスには40名以上乗っていますから、全員に回るのに30分くらいはかかります。
先生は、
トーク番組のMCのように話に相槌を打ったり、突込みを入れたりしながら進行させます。
4.「遠足クイズ」を出す
目的地までまだ時間がかかりそうです。
そこで、クイズの時間にします。
子ども達に問題を作ってくるように指示しておきます。
テーマは、遠足にまつわるものとします。
調べ学習の一つです。
たとえば・・・
これから見学に行く水族館には動物の名前がついた魚がいます。
次のうち、もともといない魚は何でしょうか。
1.キツネ魚 2.たぬき魚 3.オオカミ魚
子ども達に作問させるのが難しい場合は、先生が用意しておきます。
目的地についての関心を高めることにつながると思います。
子ども達に出題させるときは、その仕方を教えます。



今から、クイズ大会をしましょう。
問題は、繰り返して2回言ってください。
答えは〇〇です、とはっきり言ってください。
例として、即席でクイズをつくり、出します。



このバスを運転している運転手〇〇さんは、
今月になってどのくらい遠足バスの運転をしたでしょう。
1.今日が初めて 2.3回~5回 3.ほぼ毎日
もう一度言いますね。
正解だと思う番号に手を挙げさせます。
当たったら、「1ポイントGet」として、カウントするように言います。
遠足の最後にポイントがいくつになったか競うようにすることもできます。
この問題の答えは、
信号などで停止するなど運転に支障のないときに、言ってもらいます。
5.帰りのバスでは
子ども達はお弁当を食べ、たっぷり遊んだので疲れています。
あとは学校へ帰るだけ。
ビデオでも見せながら帰校する、というのは余程乗車時間が長くなる場合です。
帰りのバスの中は、
遠足の一日を振り返っての感想を共有する場・時間としましょう。
自分の頭に浮かんでくることを言語化させておくわけです。



バスは、みなさんの学校へと向かっています。
家に帰ったら、うちの人にどんなことを話しますか。
今日の遠足を振り返って、思ったことを言ってみましょう。
では、引率をしてくださった〇〇先生から、どうぞ。
そのあと、マイクを子ども達に回していくのは往路と同じです。
疲れ切って寝ている子どもは、そっとしておくことにします。
また、
「楽しかった」「面白かった」などという一言で終わらせてしまう子へは、
漫才コンビよろしく、ボケと突込みで話を膨らませるようにします。
マイクが一巡したところで、総括します。



今日は、見学の態度がとてもすばらしかったです。
〇〇先生から聞いた話ですが、
一般で来ていた小さい子が見やすいようにと親切にしていた人がいたんですってね。感心しました。
他のお客さんにも迷惑をかけないようにしていたところも立派でした。
とてもいい遠足になりました。
3年生以上であれば、
俳句のような575の形で3つ作りなさい、などとすることもできます。
子ども達が運転手さんにお礼を言ってバスを降りていきます。
先生は、落とし物・忘れ物がないか座席の下、物入れまで見てから降車します。