てこのはたらき 

タイトル下
6年理科2

てこのはたらき 
その授業シナリオです。
授業づくりの参考にしていただけたら、幸いです。

このシナリオは、2020年に実際に行った授業を元にしています。
当時は、コロナ感染拡大を抑える観点から授業をする上でいくつか制約がありました。
そのような中での取り組みであることを予めご了承ください。

てこのはたらき 授業シナリオの内容

1.授業の第一声
  ・重いものを持ったこと ある?
  ・楽に持ち上げられる?
2.教科書の定義をおさえる
  ・「てこ」ってなに?
  ・図を書き、ペアで確認
3.楽に持ち上がるのはどこ?
  ・より小さな力で上がるのは?
4.結果の表し方
  ・手応えは大、中、小で
5.実験
  ・場づくりと注意
  ・作用点の位置を変える 
6.「実験用てこ」を使う
  ・「水平」とは何か?
  ・手応えは重さで表せる
  ・「実験用てこ」の問題点
  ・支点は、ここにする!
  ・問い返し
  ・きまり発見へ
7.きまりを確かめる
  ・実験の際の留意事項
  ・適用問題
  ・発展問題
8.郵便物の重さをはかる天秤づくり
  ・封筒の重さは?

1.授業の第一声    

てこのはたらき 授業のはじまりと同時に投げかけます。

Ri-せん
Ri-せん

  重いものを持ったことがありますか?   

前列から順番に聞いていきます。
重いものを持つ、そんな経験はあまりないようですが、
買い物についていって、米袋を持った、
引っ越しで、タンスを運んだ、などと返ってきました。

「てこのはたらき」その授業シナリオです。
「てこのはたらき」その授業シナリオです。

大人でも、重いものを持つことはそうはありません。
ましてや、棒をてことして使う場面などまずありません。
ならば、授業で「重い!」という体験をさせたいと思いました。

生活の中で体験しえないからこそ、学校で行うべきです。

持ち上げてみよう

てこのはたらき
その学習の手始めは、「重い」を体感することです。

実は、とびきり重いものを用意しているのです。
子ども達には分からないように、廊下の隅に置いておきました。

Ri-せん
Ri-せん

  これを持ち上げてみてください。   

廊下に置いておいたそれを運び入れます。
子ども達は、なに? なに? と乗り出しました。

ワックスの容器(20L)には砂袋と石が入れてあります。
その重さは、40Kgほど。

「てこのはたらき」その授業シナリオです。

持ち上げる際の条件を言います。
・10cm以上は上げないこと。 (足の上に落とすと怪我をする)
・トライする人は、軍手をする。 (感染対策も兼ねる)

代表者5,6名にやってもらいました。
さすが6年生。どの子も難なく上げてしまいました。
そこで、投げかけます。

Ri-せん
Ri-せん

  もう少し楽に持ち上げるにはどうしたらいいでしょう?    

楽に持ち上げるには? 

方法が思い付いたら黒板に書きに来るよう言いました。

※右の写真は小黒板に書いている様子。
 但し、この時の理科授業ではありません。

書き終わったものから見ていきます。
こんな図がありました。

「てこのはたらき」その授業シナリオです。
「てこのはたらき」その授業シナリオです。

二人で持てば楽、というわけです。
すると、「だったら」と言って手が挙がりました。

5,6人で持てば、もっと楽です」と言いました。
すると、また別な子どもが手を挙げて
僕なら何もしなくてもバケツを持ち上げられるよ」
と言います。

機械を使うのかと思いきや、
弟にやらせる!」 って叫んだものですから、これは爆笑でした。

笑いが起こる。
こんなとき子ども達は、授業は楽しい、と感じます。

棒を使うという考えも出されてました。こんな図を書いていました。動滑車です。


すごいねー、賢いねーとほめました。

2.「てこ」って何? (教科書の定義をおさえる)

棒をてこにして持ち上げる、という図を書いている子ども達がいました。
楽に持ち上げる仕方を知っていたのでしょう。

書いた本人に図の説明をしてもらうと
「てこ」という言葉を使っていました。
その言葉は未習なのですが、聞いてみました。

Ri-せん
Ri-せん

 説明の中にあったてこ」って何ですか?  

「てこのはたらき」その授業シナリオです。

しーん、としてしまいました。 
答えられないのは当前としても、棒を使って小さな力で重いものを動かすもの(しかけ)
くらいは言ってくれるかと思っていたのですが、難しいようでした。

「てこのはたらき」 という単元名にも使われている言葉。
教科書がどのように説明しているか見てみることにしました。

定義を読み、図を書く

「てこのはたらき」の授業。
タイトルになっているその「てこ」とは何か?
説明している教科書のその部分を読ませます。一人一人に活動させます。

 『棒のある1点を支えにして、棒の一部に力を加え、
   物を持ち上げたり、動かしたりするもの。

※2社の教科書を調べましたが、表現はほぼ同じです。

「てこのはたらき」その授業シナリオです。

この文を一読しただけで、「てこ」とは何か理解したでしょうか?
否です。 もう少し丁寧に指導します。

Ri-せん
Ri-せん

  ノートに「てこ」の図を描きましょう。 初めに直線を書きます。 

直線の長さを7cmと決め、大きさを指定します。
ノートに丁度良く収まるようにするためです。

やや右上がりに書くよう指示します。

「てこのはたらき」その授業シナリオです。

ペアで確認し合う

Ri-せん
Ri-せん

 教科書の説明に「棒のある一点を支えにして」とあります。それは図のどこのことですか?       
 指を置きなさい。 はい、お隣さんの指をみてごらん。同じところを指してますか?

相互でチェックするわけです。
こうすると、ぼうっとしていられません。

Ri-せん
Ri-せん

 ここは名前があります。「支点」と言います。  

「てこのはたらき」その授業シナリオです。

作用点と力点も同様に指を置かせます。
そして、この3点は重要な学習用語であることを伝えます。

図の隣に学習用語とその説明を書かせます。

「てこのはたらき」その授業シナリオです。

支点・・・棒を支えているところ(位置)

力点・・・力を加えるところ(位置)

作用点・・力が働いているところ(位置)

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