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大地のつくり3 (6年理科授業シナリオ)

大地のつくり 6年理科の授業シナリオです。

この記事は「大地のつくり2」に続くものです。
授業づくりの参考にしていただけたら、幸いです。

内容

7.地層が地表で見られるわけ  ・隆起
8.岩石標本の見せ方 ・火山灰の観察
9.大地の変化と私たちのくらし ・火山のめぐみ

7.地表で見られるわけ

第9時の授業シナリオです。

水の中でできた地層が、なぜ地表で見られるのでしょうか。
この時間は、それを問題にしていきます。

始まりと同時に図を提示し、投げかけます。

T:この図を説明してください。 

前時の復習です。

女子

砂や泥は、水のはたらきで運ばれます。
水の中では、粒の大きさによって沈み方が違うので、
砂の層の上に泥の層というように地層ができていきます。   

水のはたらきで、浸食や運搬が起こります。
水の中では、粒の大きさによって分かれて堆積していき、
それが繰り返されて層になっていきます。    

上手に説明できたことを褒めます。

Ri-せん

いい説明でした。
海や湖の底、つまり水の中で堆積して地層ができるということですが、
それが、なぜ地上で見られるのでしょうか?           

すかさず、声が上がりました。  「土地の隆起です。」と。
勉強しているのでしょう。用語をよく知っています。

なんのことか分からない子もいるので、説明をしてもらいます。
それから、関連の映像を見せます。

隆起

写真を映すと、つぶやきがありました。

アンモナイトだ。

そこで、問います。

T:この山は、ヒマラヤ山脈です。
 なぜ、水に棲む生き物が8000m級の山の中で見つかるのでしょうか。

ヒマラヤも大昔は海の底だった、ということです。
大地が持ち上がったということが考えられます。                      

このような写真も見せます。
神奈川県の城ケ崎の「馬の背洞門」と呼ばれるところです。

昔はこの穴を小舟でくぐったそうです。
約100年前あることで海岸が持ち上がりました。
それの原因は何だと思いますか?
   

関東大震災です。
今年(2024年)、
お正月に発生した奥能登地震でも土地の隆起が見られましたね。 

地震が起こることについては、あとで学びます。

8.岩石標本の見せ方

映像を使っての授業が続きました。
ここで体験的な活動を挟みます。礫岩、砂岩、泥岩、溶岩の岩石標本を見せました。

これらの岩石が、
長い年月の間に堆積したものの重みで固められてできたものであること、
溶岩はマグマが冷えて固まったものであることを理解させます。

鉱物標本を教室に持ち込みました。
一つひとつ、手に取らせて見せていきます。

標本を子どもに渡すときのノウハウがあります。
伝言ゲームのようにします。

泥岩です。」
などと名称を言ってから後ろへ送るよう指示します。

泥岩の「泥」は「デイ」と読む、と教えます。
書くときは「でい岩」で OKです。

市販のテストにこの岩石の名称を問う問題がありました。
れい岩」と書いた子どもがいました。

「レーガン」と耳に残ってしまったのでしょう。

テスト直しの時に、
レーガンは、アメリカの大統領の名前です、とジョークを飛ばしても笑いはとれません。

火山灰の観察

続いて、火山灰の観察をしました。
コロナ禍でもぜひ経験させたい学習活動です。

私事旅行で桜島を訪れました。
その際、火山灰を持ち帰りました。

理科室にも実習用火山灰があったので、
合わせて観察することにしました。

桜島ビジターセンター公式サイト =Sakurajima Visitor Center=

9. 大地の変化と私たちのくらし

火山と地震についての内容です。
これまでと同様、映像を提示して投げかけていきます。

T:火山が噴火すると、
 どんなことが起きるか話してください。 

C:火山灰が降ってきます。
  溶岩が流れたり、火砕流が発生したりして、
  人命や建物、農作物などに被害が出ます。      

C:土地が増えます。
  火山が噴火して島ができた、ってニュースでやってました。  

T:まず、噴火による影響についてみていきましょう。      

子ども達からの反応

C1:屋根に灰が積もるから洗濯物は干せないよ。
C2:農作物は痛んでしまって売れないかも。
C3:鳥居が埋まってすごい量が降ったことが分かります。道路も使えないよ。 

Ri-せん

今からおよそ110年前(1914年)に桜島が噴火しました。           
元々は島だったのですが、溶岩が流れて対岸の土地とつながりました。

溶岩が流れている図を見せます。

T:ところで溶岩って何ですか?

C:マグマが地表に出たものです。
  マグマは岩石が熱でどろどろにとけたものです。

T:この図を見て、何か思ったことがありますか?

C1:なぜ地表にマグマが出てくるのか。
C2:日本で噴火が起きそうな火山はどのくらいあるのか。
C3:富士山が噴火したら大変だな。
C4:海底火山が隆起して島になったら領土が増えるよ。

火山のめぐみ

火山の噴火は、大きな被害をもたらします。

そこから一転して、プラスの側面を考えさせてみました。
温泉地熱による発電が出されました。

以下はこちらから提示しました。

・美しい風景。(観光資源
・水はけがよい火山灰の土が農産物の生産に適している。(園芸用の土)
・火山のあとが鉱山となって金など地下資源が採れる。