植物の水の通り道 授業シナリオ です。
少しでも現場のお役に立てたら幸いです。
尚、「植物と日光」たたき染め の授業シナリオについてはこちら
内容
1.“>繰り返し問いかける
3.“>茎の切り口は?
5.“>実験の図を書かせる
7.“>先にまとめを書いてしまう
9.
実験に使う植物
さあ、授業の開始。挨拶の後、こう言います。

この植物の名前は何でしょう。
間髪を入れずに、画像を映し出します。
ヒメジョオン(帰化植物)の写真です。

よく見かける植物です。
が、子ども達は名前を言えません。
案外、知らないものです。
この写真、
本日の授業内容と関係がないように思えますが、さにあらず。
教科書の数ページ先を見ると、ちゃんと出てきます。
色水を吸わせる実験に使う植物として載っています。
植物(ヒメジョオン)の名前を問う投げかけで、授業を始めました。
冒頭から?マークが子ども達の頭に浮かんだと思います。
まず、その状態をつくることがねらいでした。
どのように授業を始めるか、授業の直前まであれこれ考えます。
こちら(授業者)のペースに子ども達を巻き込むためには?
子ども達を引き付け、おもしろく授業が進むようにするには?
授業者は意識をしてその準備をしなければならないと思っています。
繰り返し問いかける
まず、ヒメジョオンという植物の名前を知らせました。
次はジャガイモ畑の写真を出して、また同じ投げかけをします。

この植物の名前は、何でしょう。
「ジャガイモです」と言える子どもはごく少数です。

先週、この葉っぱを使って実験をしています。
それで、数人が「じゃがいも?」と小声で言いました。
紫色の花が咲いているので確信がもてなかったのでしょう。
ちなみに咲いたばかりの花は、初め紫色をしていますが、
後で白くなっていきます。
このジャガイモも、
色水を吸わせる実験に使う植物として出ています。
植物の水の通り道 の授業冒頭。
子ども達になげかける3回目もこの問いです。

この植物の名前は、何でしょう。
ホウセンカです。実がついている写真をスクリーンに映しました。

3年生の理科で育てているはずですが、答えられるのは
一部の子どもだけでした。
(答えられないというのは、どういうことでしょうか?)
つまむと弾けて種が飛び出す、
そんな遊び(体験)をしなかったのでしょうか。
小学校の理科学習では
自然にはたらきかける体験を保障することが大切、
だと思います。(していると思います)
この画像を提示した理由も、前の2つと同様。植物の水の通り道 の実験で使う植物です。
白い花のホウセンカ
もう一つ、ホウセンカの写真を見せます。

この植物の名前は、分かりますよね。 「白花ホウセンカ」です。
この種を店頭では見かけません。需要がないためか、売られていないようです。
そこで、教材社に手配してもらい、春(4月)に種まきをし、育てておきます。

ここで子ども達に見せるのは、意味があります。
色水を吸わせる実験で、このホウセンカを使うためです。
尚、来年度用として種をとるためには、注意が必要です。
赤い花のホウセンカの近くで育てないこと。
さもないと交雑してしまい、白花になりません。
授業の冒頭で、3つの植物(ヒメジョオン→ジャガイモ→ホウセンカ)を見せました。
いずれも植物の水の通り道 の実験で使う植物です。
この導入は、体育授業で例えるならば主運動に入る前の準備運動に当たります。
茎の切り口は?
ここからが本日のメイン。
次に出した写真は「萎れているホウセンカ」です。 ※教科書の画像を使います。

萎れていますね。 水をやると・・・ 元気になりました。
それから「元気になったホウセンカ」の写真を見せます。 ※教科書の画像

どうして元気になったのでしょう。
子ども達から答えがすぐ返ってきました。「根が水を吸ったから、です。」と。
そこで、問います。

根から水を吸ったと考えていいですね。
では、根から取り入れた水は、植物のどこを通るのでしょう。
こんな反応がありました。

吸った水は、茎を通ります。

茎の中に水が通る管があるんだよ。

人や動物に血管があるように植物にも管がある!
3番目の発言には、目が丸くなりました。
そういえば、「人や動物の体」の単元で学んでいました。
前の学びが生きている発言。すばらしい。(うんとほめました。)
続けてテンポよく画像を見せていきます。
「色水の入ったフラスコにさしているホウセンカ」の写真。
その隣に「しばらくして、花や葉が赤く染まっているホウセンカ」の写真を並べます。
そして、全体に問いかけます。

茎も葉も、花までも赤く染まっていますね。 なんで赤くなったの?
子ども達が、口々に言います。 根が赤い水を吸ったからだ、と。
そこで問います。

この茎を横にスパッと切ります。どうなっているでしょう?
小黒板を使う
問いかけながら、小黒板に書いておいた図を見せます。
授業前に、描いておきます。
茎がどうなっているか、四択で予想させました。

Aは、全く染まっていない。これはありえません。
Bは、茎の真ん中が水の通り道。
Cは、水の通り道は、いくつかあるという図です。
Dは、茎全部が通り道ということ。
続けて、もう一枚の小黒板を出します。

今度は、縦にカットしました。どう見えるでしょう。

ほとんど全員がAに手を挙げました。
念のため、赤くなっているところは何かを問うと
水の通り道、だと返ってきました。
このとき、子どもから中学校で習う用語が出てきました。「導管」です。
よく知っています。ほめました。
実験の図を書かせる
植物の水の通り道。
子ども達は、横に切るとC図。縦に切るとA図、と予想しました。
これより授業は、実験に移っていきます。

本当にそうなるか、実験してみましょう。 教科書は何ページですか?
このように投げかけると、実験のページを繰って探し出します。
そのページをお隣さんが開いているか相互で確認させます。
授業では、時折このような「確認」の場面を設ける必要があります。
仕方を読んだあと、実験図を書くよう指示します。
理科においては、学習内容の理解をさせる上で図を書かせるのはとても重要です。

実験の図をノートに書きましょう。先生も書きます。
黒板に実験図を書きながら話しかけます。
「皆さんの方が、上手ですよね、こういうの。」と言うと子ども達は丁寧に書こうとします。
図には書き込みをさせます。
そして、なぜそうするのかを言わせます。

脱脂綿 ・・・脇からの水の蒸発をふせぐ
水面に印 ・・・吸い上げたのが分かる
根をカット・・・吸い上げをよくするため
色水 ・・・水の通り道がわかりやすくなる
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