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学校の公開日  「普段を見てもらう」とは?        

この記事は、初任者向けに作成した資料を基に書き改めたものです。
紹介している算数授業は、2020年に始まるコロナ禍以前の取組みです。

少しでも現場の先生方のお役に立てたら幸いです。

子どもにとっては「普段」ではない

普段の学校生活を見てもらう

そんな趣旨で「学校公開」が設定されていますが、
子ども達にとって大勢の人に見られる、という状況は決して「普段」ではありません。

ましてや、
「学校公開日」が土曜日開催だったら、
普段と同じようにのんびりと朝を過ごすわけにはいきません。

所属チームでの練習や地域での活動をしている子どもにとってはその日は休むことにもなりますから、
特別な日になります。

一方、学校にとってはどうか。
こちらの方は、いつもとなんら変わりません。「普段」どおりです。
問われるのは、その「普段」のクオリティです。

学校はいつだって welcome

そもそも、
学校は welcome (ようこそ、いらっしゃい!)の状態でなければいけません。
「いつも」です。

公開日であろうとなかろうと
いつだってwelcomeで子どもたちや保護者(来校者)を迎えなければいけません。

welcomeな状態とは、どういうことかというと・・・

例えば、こんなのはNGです。

・掲示物が月遅れだったり、剥がれかかっていたりしている。
・蛍光灯が点いていない所があったり、寿命がきてチラチラしてたりしている。
・掃除が行き届いておらず、教室や廊下の隅に綿ほこりがいくつも見えていたりする。
・悪臭がする。危険な状態がそのままになっている。等

これがお店だったら、お客さんは一人も入りはしません。
学校は安心して気持ちよくしていられる場になっていなければいけません。


学校の役割の第一義である、授業も然りです。

先生は、いつも笑顔で接してくれます。
分かりやすく楽しい雰囲気で学習に取組めるようにしています。

学校にとって「公開日」は、
「普段」からwelcomeになっている取組みを見てもらう日です。


「普段」を勘違いしているといけませんので、念のため。

すべきことがわんさかあって、手が回らない現場の現状を見てもらうのではありません。
学校の抱える大変さを知ってもらう日ではありません。

学校公開日というので参観に行ったら、そのクラスでは「テスト」をやらせていたという。
時間を割き、都合をつけて見に来た保護者にテストをしている様子を見せるって、
どういう考えなのでしょうか。

普段はそういうこともあるだろうけど、あえてします?
「普段を見せる」という意味を取り違えている、というより神経を疑います。
全くもって、論外です。

「普段」からプロジェクターを使う

学校公開のこの日、
T.T. (team teaching)のT1として3年生の算数授業をすることになった。

台秤目盛りの読み方を復習し、教科書にある文章題をする。
そんな内容の授業だ。

まず各自で問題文を読むように指示をする。

次に一斉音読させる。
そして、教科書の絵をスクリーンに映し出して投げかけた。

わざわざプロジェクターを使ってまでしなくても、
と思う向きもあるかもしれないが、普段から使っている。

このように機器を使って授業をしていることを見ていただく。

教科書の挿絵を見なさいと指示しても、
子ども達全員が指示どおり見ているかは、不確かだ。
スクリーンに映せば、全員を一点に集中させることができる。

3.普段から授業中に世間話をする

    このバナナは、4本で870gと書いてありますね。
    ところで、みなさん。バナナは好きですか?

バナナがすごく好きだと言うので、その子どもに聞いてみた。

Ri-せん

丸ごと食べられますか?              

・・・はい。        


驚いていると、別な子どもが答える。

ぼく、丸ごと食べたことあるよ。  ・・・まずかった。    

Ri-せん

バナナを皮ごと食べたの? すごいなぁ! 


保護者も笑っている中、
普通皮は食べないよね。食べる所じゃないよね、と返す。

教室がなごんでいよいよ本時メインの指導を始める。
改めて問題文を読む。

1本のバナナの重さを計ったら180gでした。
中身を食べて皮の重さを計ったら55gでした。 中身の重さは何グラムでしょう。

授業は、バナナの可食部分の重さを問題にしている。
子ども達とのおしゃべりは、授業から離れて世間話をした形になっているが、
実は意図的に設定しているのである。

学習のつながりを考えて展開しているわけだが、
こうしたことを後で話題にしてくる保護者がいたら、公開日はもっと楽しい日となる。

4.テープ図を読む

教科書にテープ図が出ている。
それをノートに写させる。

どう書けばいいのか、その大きさを指定してきれいに書かせる。

Ri-せん

この部分(□)は、何か1文字で書きましょう。     

首を傾げる子ども達。
えー? に交じって「分かった、分かった」の反応がある。

Aさんが「皮です。」と答え、なあんだぁの声。

Ri-せん

ここ(□□)は、2文字で書きなさい。    

これはもう簡単。「中身」。

答えは引き算で求める。
その理由をテープ図を使って説明させる。

式・計算・答えの3点セットで見せに来るように指示する。

Ri-せん

男の子は、担任のW先生に。 女の子は、先生(私)に見せなさい。

授業をTTで進めている場面を保護者に見てもらう。

続く⑤の問題も、担任と二手に分かれてノートチェックをした。