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学校の公開日 「普段どおり」とは?        

この記事は、初任者向けに作成した資料を基に書き改めたものです。
紹介している算数授業は、2020年に始まるコロナ禍以前の取組みです。

少しでも現場の先生方のお役に立てたら幸いです。

記事の内容

1.学校の「普段」を見てもらう日 ?
2.普段からプロジェクターを使う
3.授業で世間話
4.テープ図を読む

1.「普段」とは?

普段の学校生活を見てもらう
そんな趣旨で「学校公開」が設定されるが、
子ども達にとって大勢の人に見られる、というのは決して「普段」ではない。

環視の中である。

子ども達はじっと見られている。
これが「普段通り」であるはずがない。
まして、土曜日が「学校公開日」となれば、特別な日ですらある。

では、学校にとってはどうか?

そもそも、学校はお客様を迎える側なのだから、
welcome (ようこそ、いらっしゃいました)の状態でいなければいけないのだが、
それは、公開日であろうと普段であろうと関係ない。

どういうことか?

掲示物が月遅れだったり、剥がれかかっていたり。
蛍光灯が点いていないのがあったり、寿命がきてチラチラしてたり。
掃除が行き届かず廊下の隅に綿ほこりがいくつも見えていたり・・・
なんてのは来校者のあるなしに関わらずNGだ。

登校してくる子ども達は、言ってみれば「お客様」なのだから
普段から welcome でなければいけない。

授業も然りだ。

「普段」から分かりやすくて、
楽しい雰囲気で子ども達が学習に取組めるようにしていなくちゃいけない。

「公開日」は保護者や地域に対して設定された行事だけれども、
見ていただくことは、信頼に足る「普段の取組み」なのだ。

しかしながら、現状はきびしい。
すべきことがわんさかあって、手が回らない。

ちょっと呆れた話だが、
学校公開日というので参観に行ったら、あるクラスがテストをしていたという。

時間を割き、都合をつけて見に来た保護者に
子ども達がテストをしている様子を見せる、ってどういう考えなのか。
「普段を見せる」という意味を取り違えている、というより神経を疑う。
特別な事情があったとも考えられるが、それにしてもと思う。

2.普段からプロジェクターを使う

学校公開のこの日、
T.T. (team teaching)のT1として3年生の算数授業をすることになった。

台秤目盛りの読み方を復習し、教科書にある文章題をする。
そんな内容の授業だ。

まず各自で問題文を読むように指示をする。

次に一斉音読させる。
そして、教科書の絵をスクリーンに映し出して投げかけた。

わざわざプロジェクターを使ってまでしなくても、
と思う向きもあるかもしれないが、普段から使っている。

このように機器を使って授業をしていることを見ていただく。

教科書の挿絵を見なさいと指示しても、
子ども達全員が指示どおり見ているかは、不確かだ。
スクリーンに映せば、全員を一点に集中させることができる。

3.普段から授業中に世間話をする

    このバナナは、4本で870gと書いてありますね。
    ところで、みなさん。バナナは好きですか?

バナナがすごく好きだと言うので、その子どもに聞いてみた。

Ri-せん

丸ごと食べられますか?              

・・・はい。        

  え、ほんとに? 

驚いていると、別な子どもが答える。

ぼく、丸ごと食べたことあるよ。・・・まずかった。    


  バナナを皮ごと食べたの? すごいなぁ! 

保護者も笑っている中、
普通皮は食べないよね。食べる所じゃないよね、と返す。

教室がなごんでいよいよ本時メインの指導を始める。

1本のバナナの重さを計ったら180gでした。

中身を食べて皮の重さを計ったら55gでした。 中身の重さは何グラムでしょう。

今日の授業は、バナナの可食部分の重さを問題にする。
先の子ども達とのおしゃべりは、意図的にしているのである。

学習のつながりを考えて展開しているわけだが、
こうしたことを見抜ける(指摘できる)親御さんがいるとしたら、すごいことである。

4.テープ図を読む

テープ図をノートに写させる。
どう書けばいいのか、数値なども指定してきれいに書かせる。

Ri-せん

この部分(□)は、何か1文字で書きなさい。     

えー? に交じって「分かった、分かった」の反応。

指名されたGさんが「皮です。」と答え、なあんだぁの声。

Ri-せん

ここ(□□)は、2文字で書きなさい。    

これはもう簡単。「中身」。

答えは引き算で求める。
その理由をテープ図を使って説明させる。

式・計算・答えの3点セットで見せに来るように指示。
次のように言い、TTで進めている場面を意図的に設定した。

『男の子は、担任のW先生。女の子は、先生(私)に見せなさい。』

続く⑤の問題も、担任と二手に分かれてノートチェックをした。