片々の教育技術 その幾つかを紹介したい。
現場の先生方のお役に立てたら幸いである。
その習得は、子ども達と授業(活動)を創っているときだ。
楽しく進めたい、そう思っているとひらめいてくる。
今回は、以下の3つを紹介する。
1.朝会(集会)を始める時の指導 (数百人を静かにさせる)
2.すぐに出来てしまう子への対応 (空白をつくらない) → Jump there
終わったら板書させる
3.子どもの間違い →Jump there
終わりに
1.朝会(集会)を始める時の指導
体育館がざわついている。
これから朝会が始まるわけなのだが、子ども達はしゃべり放題だ。
この事態をあなたならどう収めるだろうか?
![片々の教育技術を紹介します。学校教育の中で最も大切なのは授業。少しでも現場のお役に立てたらと思います。](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2021/07/job_senseiwer.png)
S先生は中堅の女性教師だ。
今日の集会の担当となっている。
どのようにするのか見ていると、
子ども達の真ん中に立ち、手をたたき始めたではないか。
3回たたいて、1拍休む。
![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2022/07/10_4bu_o-1024x161.png)
ゆっくりとしたテンポで、それを繰り返す。
すると、
すぐに前列の子達が先生の真似(まね)をしだした。
その数はたちまち増えていって、おしゃべりの声は押しやられていく。
S先生、最後に3回打った後7回手を打つと、
あ、三三七拍子だ!
と誰もが思う中、にこにことお辞儀するとご自分の立ち位置へ歩いて行かれた。
一言も言葉を発していない。
体育館の喧騒とした空気を手をたたくことで一変させた。
3・3・7のめでたい拍子で。
見事だった。
集団を静かにさせる方法は他にいくつもある。
力量のある教師はそうした教育技術をいくつも持っている。
2.すぐに出来てしまう子
課題をさっとやってしまう子がいる。
すぐに出来てしまうのだ。
賢い子ども達だ。
片々の教育技術として
その対応を紹介するのだが、まず、大原則がある。
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時間差が大きくなるような課題は出さない
ということだ。
量が多いと時間差が大きくなるのは自明だ。
課題をし終えた子どもは、することがない。
別なことを仕出す。それが目に余ることもある。
空白をつくってはいけないのだ。
だから時間差が大きく生じないようにしなければならない。
課題を少なめにしても、時間差は生じる。
そうした時間差の問題について先生方はどうしているのだろうか。
終わったら板書させる
計算問題(適用問題)が3問あるとする。
黒板を6等分に区切り、指示する。
![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2023/08/couple_egao_bnessman-2-150x150.jpg)
3つ問題をノートにしたら、黒板に書きに来ましょう。
1問につき、2人が書けます。
計算をし終えた子ども達は、喜んで出てくる。
黒板に書きたいのだ。
多くの子どもは、活躍したい、と思っている。
それを満たしてあげよう。
板書できる枠は6人分ある。
では、7人目以降はどうするのか?
答えの判定役を任命するのだ。
赤で〇つけをするのだが、
間違えていれば、説明して正しい答えを書く。
待機中は、その言い方を考えさせておく。
これで更に3人分活躍させられる。
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以下は、時間差への対応術ではないが、計算方法を説明する活動の例として紹介する。
![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2023/08/talk7_blue_man-150x150.jpg)
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2.5÷0.7の計算は、それぞれを10倍して
![子ども](https://ri-sen.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
![子ども](https://ri-sen.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
2.5÷0.7は、それぞれを10倍して計算します。
つまり、25÷7として計算します。
答えは、3。
余りの4は、0.1が4つという意味なので0.4となります。
だから、けんじさんの計算は、正しいです。
![片々の教育技術を紹介します。学校教育の中で最も大切なのは授業。少しでも現場のお役に立てたらと思います。](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2021/07/P1050642-kam.jpg)
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3.子どものまちがい
算数の授業の場面である。
次のような問題を出した。
T: 2610gを kgで表します。 ノートに書きましょう。
ぐるっと一回り。
「26Kg10g」と書いている子どもを見つけた。
あなたならどうするか?
いくつか方法が浮かぶだろう。
どうするかは時と場合、子どもによって違う。
この時は、
その誤答を板書して、子ども達に思ったことを言わせていった。
誰の答えかは、言わない。
誤答について、
初めに当てられた数人は、答えが違う、としか言わない。
何人目かになってようやく、間違っている理由として
定義を言う子が出てきた。
1000g = 1Kg
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説明があり、正しい答えは 2kg610gと言うことが分かった。
学習指導で大切にしたいのは、その後のことである。
子どもの間違いを授業にかけたときは、必ずこう話すことにしている。
![Ri-せん](https://ri-sen.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/b-man.png)
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まちがえがあったお陰で いい勉強ができたね。
みんなの勉強の役に立ちました。 ありがとう。
子どものまちがいに寄り添うことも、「片々の教育技術」の一つだと思う。
終わりに
教員不足が起きている、という。
長時間に及ぶ労働実態からブラックな職業として避けられている。
報酬で解決する問題ではない。
働き方の改革が叫ばれ、現場では取り組みがなされているようだが、
授業準備に仕える時間を勤務時間内に位置づけないかぎり、
「改革」というほどのものには至らず、「ブラック」というイメージは拭えないだろう。
学校業務の中で最も大切なのは、授業だ。
そんな状況下にある先生方の少しでもお役に立てたらと思う。
学校における働き方改革:日本と諸外国の教員の勤務時間&担当業務! (teachforjapan.org)
教員の働き方改革が必要な背景・進まない原因は?進め方や取り組み事例も解説 | WEBマガジン「#Think Trunk」 | 学校・教育機関向け | JTB 法人サービス (jtbbwt.com)