参観した体育の授業についての記事です。
以下、縷々述べる内容は、
2010年3月28日と同年6月18日に行われた公開研究会で聞いた話がもとになっています。
先生方のお役に立てたら幸いです。
はじめに
「よく見られているドッジボール」に以下のような問題を感じる。
1. 一部の上手な児童のみが活躍している。独占してボールを保持している。
その彼らが、弱い子にボールを譲ることがある。
(自分ばかりしていることに気が引けるのであろうか。)
2.パスをつないで当てる、などといった動きはまずない。
つまり頭を使ったチームプレイになっていない。しようともしない。
3.狭いコートでやっている。
ボールが飛んでくれば必ず誰かに当たるような広さでしている。
それでは、逃げる動きがつくりにくい。ぶつかって危険でもある。
![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2023/12/sports_dodgeball_boy_girl.png)
4. 何もしない(何もできない)子がいる。
すぐに当てられてしまい、外野に出ても投げるチャンスはなかなか巡って来ない。
運動量に差が出ているにもかかわらず、放置されている。
なぜ、このようなドッジボールをしてしまうのか?
恥ずかしい話だが、敢えて言う。
楽だからである。
先生は審判だけしていればいい。それで45分が過ぎていく。
体育授業に限ったことでないが、
研修・自己研鑽については、教員の自主性に任せているのが実態だ。
する人はするし、しない人はしない。
目が回るような多忙さの中にあっては、無理もないことかもしれないが、
それはまた別の話。
この時間は、
投げる・捕球する・避けるの動きをどの子どもにも保証し、
且つ、よりよくゲームを楽しめるよう思考を促す、そういう授業にしていかなくてはいけない。
そうでなければ、つまらないではないか。
仕事は、自分で面白くするしかない、と思う。
・・・とここまで書いたが、
すでにリタイヤしている者の実態を知らない、余計なお世話かもしれない。
大量採用時代の教員が退職期を迎え、現場の「若返り」が進んでいる。
今や職員室は、
ブラックと言われても教職に就くことを志望し夢を叶えた、意識の高い優秀な人達ばかりだろう。
必要なのは、授業づくりの参考となるノウハウだ。
あとは学級の実態に合うように工夫改良していけばいい。
参観した体育の授業
体育の公開研究会に出かけた。
休日を使っての、自費参加である。
「はしごドッジボール」は書籍で知っていたし、自分なりに取組んでもいたが、
実際に見るのは、初めて。
校庭にはあらかじめ、下図のようなコートがつくってあった。
![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2023/12/page0taiiku345-1.jpg)
一つのコートは3m×3m。
全体がはしご状になっている。
1~7はコートの番号
●は外野。○は内野。
試合は、2人対2人。
外野チームは、パスをしながら隙をみて当てる。
内野は当たらないようにボールをかわす。
当てたら1点。
内野がキャッチしたら内野側の得点としてもよい。
3分たったら攻守交代する。
試合が終わると、対戦相手を変える。
勝ったペアは1つずれて、グレードの上のコートへ移る。
例えば、〔コート3〕で勝ったチームは、〔コート4〕へ移動して試合をする。
負けたら、〔コート2〕へ行く。
授業時間の終了を迎えて子ども達を先生が集めた。
子ども達は「体育ノート」に感想を書いている。
![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2023/09/job_taiiku_man-vfr-144x150.jpg)
感想を発表しましょう。
![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2023/12/taiiku_dance_nigate.jpg)
![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2023/12/taiiku_dance_nigate.jpg)
![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2023/12/taiiku_dance_nigate.jpg)
・投げるフリ(フェイント)をしたら当てられた。
・飛んできたボールをキャッチできた。
・〇〇ちゃんが投げたボールをうまくかわせた。
先生は、
子どもの発言をにこにこと受け止め、次時の課題を浮き彫りにしていた。
終わりに
ドッジボールはいくつもバリエーションがある。
どのくらいご存じだろうか?
一人当てるごとに中央ラインが動き、自陣が狭くなっていくものがある。
これを男女対決でやってみると実に面白い。
狭くなるほど男子が真剣になる。
様々な実践を知り、
子ども達の体力や運動能力の向上をはかりたいと思うのだが、
いくつも教科を抱えている担任はまずできない(だろう)。
場づくりをする時間がとれない。
例えば、
3校時に国語の授業をして、
直後に4校時の体育で「はしごドッジボール」ができるか?
否だ。
少なくとも準備に10分以上かかるだろう。
その間、子ども達に何かさせていないといけない。
「放置」ということになる。
方法は、あるにはある。
ある年の年度初めのこと。
校庭の割振りで1校時の枠を希望した。
どなたも朝から体育はしたくないから、容易に叶った。
登校前に場づくりを終わらせ、すっと授業に入れた。
![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2023/12/school_hakusen_hiki.png)
![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2023/12/school_hakusen_hiki.png)
勤務時間のあれこれを言っていたら、望むような授業はできない。
これは、体育に限った話ではない。
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