授業の始め方は、様々です。
天気の話とか、世間話とか、
授業につながっていかない話から始まったり、
「はい、16ページを開いて!」などという事務処理的な始まりをよく目にしてきましたが、
それらは論外です。
最初が肝心。
面白くなさそう、などと思われたら、
TVを見ている場合なら忽ちチャンネルを変えられてしまいます。
わくわくさせる。
引き付ける。視線を集める。
えっ? と思わせる。なぜだろうと考えさせる。
答えざるを得ない状態をつくる。瞬時に考え、立場を決めさせる。
そういうベクトル(方向と量)をもったはじまり方をすべきです。
![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2024/01/school_class1235.png)
授業とはある意味、「強制」です。
内容は決まっています。指導する学年も時期も決められています。
それらを一定期間のうちに修得させねばなりません。
子ども達は、つまらないからといって、チャンネルを変えるわけにはいきませんから
仕方なくやるか、終わるまで死んだふりをしてやり過ごそうとします。
なんとかしないといけません。
![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2024/01/jiko_umi_ank_of_es.jpg)
秒殺という言葉がありますが、
数十秒のうちに子ども達を授業者の手の平に載せる、
そんな授業の始まり方ができたら、といろいろ試行してきました。
一旦載せたら、
そこから一人もこぼさないように手を打っていきます。
まずは、始まりが大事です。
授業の始め方は様々あります。
その一つとして、「ものの提示」から始めるというのがあります。
何も言葉を発せず、ものを出す。
子ども達が、何だろうと思ったところで投げかける。
そういう始め方があります。
以下は、5年生の算数「体積」の授業についての取組みを紹介します。
少しでも、現場の先生方のお役に立てたら幸いです。
面積から始める
授業時間になりました。
黙って、二つの図形を黒板に貼ります。
正方形と長方形です。
一呼吸おいて、投げかけます。
![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2023/08/couple_egao_bnessman-2-150x150.jpg)
どっちが広いでしょう。
子ども達の反応は、3つに分かれました。
青い方だ。
いいや、黄色い方だ。
どちらも面積は同じかも。
すると、
ある子どもが、「重ねていい?」と聞いてきました。
![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2024/01/page002-f2q-sin-125.jpg)
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対象のものに働きかけてみる、その発想を大いにほめます。
重ねる、とはどのようにするのか。前に出て来てやってもらいます。
なるほど、そう重ねるのか。
おお、やっぱり同じですよね、ととぼけると
はみ出ている短冊の部分が違うと言います。
そう言うと思ってね、用意しておきました、と
短冊の部分を取り出し、並べてみると
青色の方が、大きい!
となります。
では、どのくらい大きいのでしょうか。
![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2024/01/bg_sch223.jpg)
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すると、長さを測ればいい、と子ども達。
あっさりと答えてしまいます。
![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2023/08/couple_egao_bnessman-2-150x150.jpg)
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実は、1つは正方形で1辺が5cm。
もう1つは長方形で縦4cm、横6cmで作ってありました。
そして、マス目になった紙を貼ります。
マスの数は25と24。
だから正方形が広い。
そこで、問います。
![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2023/08/couple_egao_bnessman-2-150x150.jpg)
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広さを比べるときは、どう表したらいいでしょう?
「1㎠ がいくつ分で表します。」
などと子どもは絶対に言ってくれません。
![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2024/01/page00-f2q-sin1-1.jpg)
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![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2023/09/miageru_woman-han.jpg)
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「たて×横」で求めます。
その答えに面積の単位を付けて表せばいいんじゃないの。
そこで問い返します。
なぜ「たて×横」という計算をするのでしょうか?
なぜ「たて×横」か
すでに学習していますが、説明が出来る子どもはいません。
そこで、おさらいです。
![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2023/08/couple_egao_bnessman-2-150x150.jpg)
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長方形の面積の式、4×6はどういう意味でしょうか?
1辺が1cmの正方形の個数を求めているのですよね。
![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2024/01/page00-f2-si.jpg)
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縦と横の長さをかけているのは、
1㎠の正方形を単位として、その個数を求めているのでした。
縦の長さ4㎝は4こ。横の長さ6cmはそれが6列あるということ。
つまり、
辺の長さと1㎠の個数とは数が同じだから
長さを測って計算すれば、面積が求められるというわけ・・・
だったよね。
面積を求める公式の意味をおさらいしました。
「単位がいくつ分で表す。」は、長さも同じ。
5㎝は、単位の1㎝が5つ分だし、3mは、単位の1mが3つ分です。
重さも液体のかさも同じです。
「単位とするものがいくつ分」は、
算数授業における合言葉にしておくといいかもしれません。
新しい単位が要る!
ここまで来て、やっと5年生の中身に入ることができます。
図を提示します。
ここで「新しい単位がいる」と言わせたいわけです。
![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2023/12/2037473a6b68ae70a2ba98257a6593ce.jpg)
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T:どっちが大きいでしょう。
子ども達は、「同じ」と言います。
理由がおもしろい。(失念)
続いての投げかけも同じ。
かさ(体積)は、どのように表したらいいのでしょう。
発言がなければ、誘導します。
T:合言葉はなんだっけ?
C:新しい単位が必要、ということ?
T:それは、どんな形をしている?
「サイコロみたいな形の個数で比べる」という発言が返ってきました。
![](https://ri-sen.com/wp-content/uploads/2023/08/couple_egao_bnessman-2-150x150.jpg)
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そのサイコロの大きさを、手でやってみてください。
もちろん、
1辺が1cmの立方体です。1㎤という単位を教えます。
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