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植物と日光  「たたき染め」6年理科授業シナリオ 

「植物と日光」の授業シナリオです。

これは2020年に実際に行った授業を書き起こしたものです。
当時はコロナウィルス感染防止の観点から
話し合い活動、およびグループによる実験は行わない等の制約がありました。

先生方の授業づくりの参考になりましたら幸いです。

授業の始まり

授業開始の前から画像を映しておいて、時間が来たら投げかけて始めます。

スクリーンには映し出されているのはインゲン豆を割った図です。

Ri-せん

(子葉を指して)
この部分を何と言いましたか。言える人は立ちましょう。          

立っている人たちに言わせると「子葉です」と返ってきました。

T:そう、子葉です。
  その子葉って、何だっけ? 言える人は座ってごらん。  

最初に出る「葉っぱ」のことです。
が、意外と説明ができないものです。
ほとんどが、立ち尽くしているので、「最初に出る葉っぱのこと」と教えてしまいます。

続いてスクリーンに「日陰で育てた植物」と「日光によく当てた植物」を並べて映します。
教科書にある写真です。

T:こちらはひょろひょろしてますが、こちらは、よく育っています。これはどういうことでしたっけ?

挙手がありましたので、指します。
前時を思い出せばいいので、さっさと済ませます。   

女子

葉に日光が当たることで育つのに必要な養分がつくられるからです。

T:そのとおりです。よく覚えていますね。
  植物は、葉で養分を作っているのでした。ところで・・・
  その養分って、何でしたっけ?

C:でんぷん、です。

授業の冒頭は、このような振り返りをします。
体育授業に例えれば準備体操の如き位置づけです。

ものを見せる

この日の授業のメインは、実験です。

葉にでんぷんができているか、ヨウ素反応をみればいいのですが、
それをどのようにするか、に話をもっていきます。

Ri-せん

教科書の〇ページを開きましょう。
何が書かれていますか?

C:「たたき染め」の方法です。

「準備する物」と書かれたところに指を置かせ、声に出して読ませます。
声を出させることで、これまでの授業の空気を変えます。

次に、「準備する物」の実物を見せます。
濾紙、木槌、エタノール、ヨウ素液です。

たたき染め

「たたき染め」の写真が教科書に出ています。

実験の仕方は、見て知るのが一番です。代表して何人かにやってもらうことにします。

Ri-せん

では、やってもらいましょう。
これは、先ほど取ってきた「ただの葉っぱ」です。
でんぷんの反応が出るかどうかは、分かりません。

濾紙と板とではさんだ葉っぱを手渡し、木槌で叩いてもらいます。
葉をはがし、その濾紙をビニルの小袋に入れるまで、やってもらいます。
一つ一つ指示しながら、みんなが見ている前でさせます。

気負って力いっぱい叩いた子がいて、
葉の形をとどめないくらいに潰してしまい、その有様に笑いが起きます。
選手交代!」と告げると、われもわれもと手が挙がります。

葉を入れたビニル袋を子どもから受け取り、エタノールを注ぎ入れます。

T:エタノールというのは、駐車するときに腕に塗る、すーっとするあれです。
毒ではありませんが、飲んではいけません。
これを湯に漬けて温めると、濾紙から緑色が抜けてきます。

また代表者を選び、前に出てきてもらいます。

今度は、水で洗った葉をヨウ素液に浸し、
「こうなりました。」と言いながら、葉をみんなに見せるよう指示します。

この「たたき染め」を次回、理科室で全員に経験させます。
従って、日光に当てた葉を自分で準備することになります。
濾紙は、あらかじめ配布し、記名させておきます。

実験する前に結果を知る

「たたき染め」の仕方が分かりました。が、授業終了には未だ時間があります。
そこで、この実験の結果を教科書で見ておきます。
   
T:ヨウ素反応を確かめている写真に指を置いてごらん。

ペアの子ども同士で写真を確認します。
たたき染めをした結果がどうなるか知ることで、自分の実験活動の指標ができます。

T:教科書にでている結果をノートに書きましょう。

どのように書いたか、数人にノートを読んでもらいます。

表現の仕方はそれぞれ。上手な子もいれば不十分な子も。
そこで、シンプルな書き方を教えます。

「植物と日光」たたき染めの授業 そのシナリオです。その仕方を演示によって分からせていきます。実験をする前に結果も知らせます。

ア・・・変化なし 
   (朝、葉にでんぷんはできてなかった。)
イ・・・青紫色  
   (日光に当てるとでんぷんができていた。)
ウ・・・変化なし
   (日光に当てないとできていない。)

結果を書いたら

Ri-せん

結果を書いたら、次は何をしたらいいですか?

考察です」と子どもが言ってくれたらすばらしい、とほめます。
その発言を引き取って、この結果から分かったことを書きましょう、と投げかけます。
これはさほど難しくはありません。だいたい書けます。

気が付いたことを発表する子がいました。

Ri-せん

教科書はジャガイモの葉っぱで調べていますが、
他の植物もでんぷんをつくっているのでしょうか?

他の植物はどうなのか?
このような発想をする子どもは大いにほめたいです。

T:すばらしいことを思い付きましたね。
他の植物もでんぷんをつくっているのかな。みなさんはどう思いますか?
目のいい人はわかるよ。

このように言うと、子ども達は教科書に目を落とし、調べ始めます。
身の回りの植物(インゲン豆、シロツメクサ、ヨモギ)のでんぷん反応の写真が載っています。