「植物の水の通り道」の授業の様子を紹介します。
同タイトルの「1」に続く内容です。
現場のお役に立てたら幸いです。
3.実験前に
実験をする前に、結果を教科書で調べます。
つまり、結果を知ってから実験をするのです。
「どうなるか分からないから実験をする」のではなく、
ホントにそうなるか「確かめる」という位置づけです。
実験の結果を見てみましょう。
教科書の写真に指を置いてごらんなさい。はい、お隣さんと確認!
スクリーンにも映します。
教科書の写真「色水にさして数時間後のホウセンカの全体、葉、茎」です。
「写真を見て、実験の結果をノートに書きましょう。」
このようにすると、子どもの力の差が大きく出てしまいます。
詳しく書ける子どもがいる一方で、短くさっと書いて済ましてしまう子どもがいます。
一人一人の読解力や観察力の差です。
なかなか文字にできない子どももいます。
そこで、部分ごとに画像を見せ、このように進めます。
一言どうぞ
葉の部分を見て、一言どうぞ。
C1:葉っぱが赤くなっているので、根から葉まで水が運ばれていることが分かります。
C2:すじ(葉脈、葉柄)が赤く染まっています。すじとすじの間も赤くなっています。
茎の切り口を見て、一言どうぞ。
C3:茎全体が水の通り道というわけではないことが分かります。
C4:水の通り道が決まっていて、いくつかあるようです。
このように観察する部分を1つずつ変えて言わせていくと、どの子も書ける状態になっていきます。
ノートに書かせた後、手が挙がりました。
C5:白かった花も赤くなっています。
C6:茎のなかだけでなくて、その外側も赤い筋が見られます。
C7:Bさんの言っていた「導管」は例えると幹線道路で、狭い路地まで水が運ばれているようです。
C8:根っこから花まで染まっている、ということは植物全体に水が運ばれているということです。
小刻みにまとめる
ここで、一度整理します。
そうすることで、授業は分かりやすいものになります。
つまり、根から吸われた水はどのように通っていくのですか?
根 → 茎 → 葉・花 の順です。
水は、植物の体のどこを通っているといえますか?
決まったところを通ります。細い管です。
子ども達からこの表現が出ない場合は、おさえる必要があります。
テストに出るからです。
この実験から分かることはどんなことですか?
数人に言わせてからノートに書くようにします。
そして、その際にキーワードを入れるように指示します。
T:「根、茎、葉、細い管、全体」 という言葉を入れて書きましょう。
(その文章は省略。教科書に出ています。)
実験
まとめをしていよいよ実験です。
ホウセンカに色水を吸水させる実験は、以下のようにしました。
1.準備は、4月から始まります。
ホウセンカの種まきをし、育てておきます。
白い花が咲くホウセンカです。
種は教材社に頼めばもってきてくれます。
プランターでも大きく育ちます。
約40~50本近く、ホウセンカを育てておきました。
※ 1学級8本(8班)×4クラス + 予備
この用意ができなければ、
ジャガイモかヒメジョオンを使うことになります。
2.実験の詳細を事前に決めておきます。
実験は、4人1グループとする。
1クラス8~9セット(グループ数)用意。
3.当日の準備(授業者)
ホウセンカを掘りだし、土が付いた状態でバケツに入れておく。
4.授業
(1)外に集合
バケツ(ホウセンカ)を配り、土を水の中で落とさせる。
(2)理科室に移動
根を半分ほど切り落とさせる。
(このような活動をさせることが、学習経験として大切。)
(3)器具を配布
色水を入れた三角フラスコ(大)、脱脂綿、色テープを籠に入れておく。
(4)日当たりのよいところに置かせる。
天気がよければ、2時間ほどで、結果が出てきます。
植物の水の通り道 その実験結果の確認や共有は、翌日に行いました。
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