例えば、
集会だったり、何かの行事が早めに終わってしまい、
休み時間まで10分か15分ある、ということがたまにあります。
そんなとき、子ども達に話(ミニ授業)ができたらいいですね。
教科書の内容からは離れた内容です。
そのネタの紹介です。
前置き
少し時間があるので、なぜ算数を勉強するのかという話をしましょう。
問題を板書して投げかけます。(右図)
T:この問題を見て一言どうぞ。
C1:難しそうです。
C2:時間がかかりそう。
C3:なんか、めんどくさそうです。
T:問題が目の前にあらわれたとき、皆さんは分かれ道にいます。
一つは、面倒だからそのままにしちゃう。考えるのをやめちゃうか、後回しにしちゃう。
もう一つは、できるだけ解決しようとする。 さあ、皆さんはどっちでしょう?
T:どうするかは、その時の状況もあるし、その人の考え方次第のところもあると思いますが、
何かコツのようなものを身に付けていれば、簡単には諦めないで解決しようと前へ進むかもしれませんね。
それが勉強する理由です。
簡単化、というわざ
難しいと思ったときは、簡単化してみます。
どうすれば簡単になりますか?
T:□を3つにしてみます。これはすぐに分かりそうですね。
1+2=3 でいいですね。
T:今度は□を5こにしてみます。どうでしょう。
C4:□□は、答えが2桁ということだから、1+2+3ではダメです。
C5:□□に4と5は入りません。たし算して45や54にはなりません。
C6:答えは最小でできるのが1と2で12だから・・・
C7:わかった! 3+4+5=12です。
T:すばらしいですね。
つまり、最初に考えるのは何かというと、答えに入る数字ですね。
式ではなくて、答えになりそうな数を考えてみる。じゃ、これはどうでしょう。
□が7つ。
1~7の数字を入れて成り立つ式にします。
C8:答えの□□は、絶対に12にはなりません。それ以上になります。
C9:そう、そう。
3~7を足すと25で、答えは一番大きくなります。
C1:逆に6と7を除いて1~5をたし算すると答えは15です。
C2:ということは・・・
□□は、15~25の間にある、ということになります。
見通す
発言を整理します。
T:5つの数のたし算で答えが一番小さくなるのは、15。
これを「最小15」とします。逆に一番大きくなるのは25。
「最大25」としましょう。
□□は、15から25の間にあると見当をつけました。
簡単化して考えて、問題の解決に近づいてきましたよ。
すると、手が挙がります。
最小と最大を求めたけど・・・みなさん、黒板を見てください。
1~5のたし算で答えにまた1と5を使っているから15はダメでしょ。
最大の25になる式も5を2回使っちゃうからダメです。
ということは・・・
答えは16から24の間にある、ということかな。
問題には8,9、0はないから
18、19、20、21、22はありえないよ。
つまり□□は、16、17、23、24のどれかということね。
あとは順番に一つ一つ調べていけばよさそうです。
答えの範囲を狭め、見通しがもてました。
すばらしい話し合いでした。
順番にみていきます。
23のとき、1から7の数字がすべて使われ、式が成り立ちました。
念のため、□□が17のとき、16のときも確かめておきます。
まとめ
ここまでを振り返ります。
問題にであったら、取りあえずアタックしてみましょう。
まず、簡単化してみる。次に答えを見通していく。
最後は一つ一つ確かめていけば答えにたどりつける、かもしれません。
かもしれない、というのは世の中の問題は、そんなに簡単にはいかないない複雑なものであふれているということです。
でも、何とかしないといけない。
算数を勉強する理由の1つは、
このように筋道をつけて考えていく力を養うことです。
時間がきました。
1~9の数字を使って式を成り立つようにする問題の答えが気になります。
家庭学習で取組むように投げかけます。
尚、1分程時間が残っていれば、感想を一言いってもらいます。
おまけ
解法
1.7つの数字の和
最小 1+2+3+4+5+6+7=28
最大 3+4+5+6+7+8+9=42
2.推論
・答えの□□は、28~42の間にある。
・その中央の値は35。その近辺に答えがある(かもしれない)。
3.調べる(中央の値から順に調べてみる。)
□□=35
1+2+4+6+7+8+9=37・・・×(5を使っていない)
□□=34
1+2+5+6+7+8+9=38・・・×(4を使っていない)
□□=36
1+2+4+5+7+8+9=36・・・〇
4.答え
1+2+4+5+7+8+9=36