授業補填の話です。
級外の職員は、出張等で不在の担任の代わりに自習の監督にいきます。
少々困ったことになるのは、出されている課題が軽めであるときです。
授業時間はまだ20分はあります。
早めに終わった子ども達が、時間を持て余しています。
そんなとき、ミニ授業ができたらいいですね。
教科書の内容からは離れた内容です。
はじめ
朝からプリントなどの自習が続いて、
子ども達は自席で静かにしているのも飽きているようです。
せっかくですから、授業をしましょうか。
プリントが終わっていない人は、続けていて構いません。
黒板に問題を書きます。
T:□□は、九九の答えで二けたの数です。
それが5つあります。
□には、0~9の数字が入ります。
1つすぐに浮かぶ人は九九の名人・・・
かもしれません。
静かに手が挙がりました。
ひとつ、浮かびました。49です。
九九の中で「一の位」が9になるのは、49しかありません。
T:すばらしい! 九九の名人・・・かもしれません。(笑)
今の発言がすごいヒントに思えた人がいたら、やっぱり九九の名人・・・かもしれませんね。
□□の一つが49でいいのかどうか、まだ分かりませんが、
とりあえず、「4」と「9」は、使ったので消します。
九九の答えはいくつある?
T:九九の答えは、全部でいくつあるか分かりますか?
C:簡単です。81こです。
・・と思いますよね、実は違います。
九九の答えは36こしかありません。同じ答えになるものがあるんです。
例えば「2・3が6」と「3・2が6」。ね、「6」が2回出てきます。
「24」は4回も出てきます。同じものを除くと、36こになります。
T:その36この中で、「一の位」が9になるのは、49です。
「一の位」が7になるのも1つしかありませんよ。何でしょう?
C:27です。3×9で「27」。
T:九九名人! さすがです。
数字の7は「27」として使うことに(一応)しておきましょう。
2と7を消します。
T:ここまでどのように考えたか言えますよね?
九九の答えの「一の位」に目をつけて考えました。
見通しをつける
「一の位」が3になるのも1つしかないよ。63だよ。
□□を「63」としてこの後を考えていく仕方もありですが、
ここで整理をしてみましょう。
T:「一の位」が3,7,9のとき、九九の答えは1つしかありません。(右図)
では、2つあるのは、どれでしょう?
C:「一の位」が1のところです。21と81の2つです。
C:だとすると3つ目の□□は、81になります。
だって2は「27」で、もう使っちゃってるから「21」はない。
T:いいですねぇ。
となると残っている数字は何でしょう。
0,3,5,6の4つです。
どうやら「一の位」の九九の答えを全部調べなくてもよさそうです。
そのことに気が付いた子が発言します。
「0,3,5,6」でできる九九の答えを考えればいいと思います。
九九の答えに50や60はないので、□□は、30と56です。
見事に答えに至ることができました。
子ども達に感想を聞きます。
あてずっぽうで答えを見つけ出すよりも、まず見通しをつけて考えていくこと。
そんなことを言ってくれたらいいと思います。
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