6年理科の授業シナリオです。
現場のお役に立てたら幸いです。
「人や動物のからだ1(呼吸)」に続く記事です。
はじまり
授業の始まり方は、様々です。
その仕方の主なものを挙げてみると、
1.映像を映し出して始める。(現象を提示した後、発問もしくはノート作業の指示をする)
2.おもむろに実験を始める。(目の前でやってみせ、発問もしくはノート作業の指示をする)
3.既習事項の想起、振り返り。(列指名、10問テストなど)
4.小話(単元に関連する科学ニュース、身辺雑記等。落語でいう「枕」としての話をする)
その日の教室の空気感(子どもの様子)によって、直前に変えることもあります。
前時とのつながりも関係します。
第2時は、3でいくことにします。
全員起立!
前の時間の振り返りをします。立ちましょう。
よろしいですか?
吐き出した息は、吸う空気と何が違うのでしょう。
言える人は座りましょう。
次々と座っていく中、立ちながらノートを見返している子どもがいます。
座った中から数人を指名し、答えてもらいます。
吐いた息の酸素の割合が減っていて、二酸化炭素が増えています。
その発表が終わると、立っている子ども達が座り出します。
思い出したら座っていいことになっています。
念のため、グラフ(空気の変化)を映します。
T:3人とも的確に答えていました。すばらしい。
酸素の割合が減って、二酸化炭素が増えているのでした。
いったい、からだの中でどういうことが起きているのでしょうね。
教師主導で進めます。
教科書は31ページを開いていますよね。
タイトル「肺とそのはたらき」に指を置きましょう。
はい、お隣の指をみて! 置いてますか?
では、説明しているところを読みましょう。小さな声で、ハイどうぞ。
半数ほどが読み終えた頃合いで、指名し、
音読させます。
「しくみ」を説明し合う
読み取ったことを確認します。
教師主導です。
T:吸った空気は、体のどこに行くのですか。
C:肺です。
T:ということは、このように書けますね。
鼻・口 → ( ) → 肺
( )に言葉を入れてノートに書きましょう。タイトルも忘れずにね。
T:(10数秒して)書けた人は立ちましょう。
ハイ、全員が書けたようですね。
ではこれから読み取ったことの情報交換をしましょう。
肺ではどんなことが起こっているのですか。
周りの人と説明し合ってください。 ハイどうぞ。
終えたら座っていいことになっています。
うかつに座ると指名されて言わされるので立ったままでいる子もいます。
全員が座るのを待ちません。授業がだれます。
5,6人が座ったタイミングで全員着席を指示し、指名して説明させます。
肺では、
酸素が血液に取り入れられ、血液からは二酸化炭素が出されます。
T:簡潔な説明でした。何となく教科書っぽい気がしましたが(笑)、いいですね。
酸素が血液に取り入れられるとのことですが、それはどのくらいでしょう?
反応がないので、話してしまいます。
吸い込んだ空気のわずか3~4%です。(既習事項)
肺のつくりの図からガス交換をしている図へと指を置かせます。
図を使う
T:肺の中の小さな袋は、「肺胞」といいます。
大きさはどのくらいでしょうか、指で表してごらんなさい。
子ども達がピンポン玉くらいに指を開いているところへ、
「0.1mmくらいです。」と伝えると、驚きます。
えー!
そんなに小さいの?! という声。
T:シャーペンの芯の太さの1/5くらいでしょうか。
これが約3億個あるそうです。
では、この図を使いながら、
「呼吸」とはどういうことか説明してみましょう。
呼吸とは、
酸素を体の中に取り入れ、二酸化炭素を体の外に出すことです。
図をノートに写させた後、動物の呼吸について資料を読みました。
肺呼吸、えら呼吸の外に「皮膚呼吸」というものもあることを知らせます。
この3つに共通していることを問うと、
酸素を取り入れ二酸化炭素を出していること、と返ってきました。
なお、少々時間があるので余談をします。
ジュースの空き缶を見せながら話します。
T:350mLの缶です。
肺胞まで達する空気の量は1回にこのくらいだそうです。
酸素は空気中に21%あるので計算すると73.5ml。
吐いた息の酸素は18%になっているので63mlですから、
使われた酸素は、引き算して約10mlということになります。
ペットボトルのキャップ2杯分くらいです。
1分間に12~20回くらい呼吸をしますから、
1時間あたりとか1日あたりの量が計算できますね。
何人かに授業の感想を言ってもらううちに終了のチャイムがなりました。
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