参観した「体育の授業」を紹介したい。
以下、縷々述べる内容は、
公開研究会(2010年3月28日、6月18日)で聞いた話がもとになっている。
この記事が現場の先生方のお役に立てたら幸いである。
なぜ、「たまご割サッカー」か?
「たまご割サッカー」は、私も授業で行っていた。
体育授業関係の書籍から学んでいた。
どなたが開発したものか、これは教材として優れている。
教育は医療行為と同じで、良いものは広め、関わる者は共有と改善に力を注ぐべきだ。
教員のスキルアップこそが子どものためになる。
なぜ優れていると思うのか。
シュートする機会を平等に保証しているシステムだからだ。
ネーミングもいい。
得意な子どもは広いコートで「普通のサッカー」をしたがる。
その一方で、ボールにさわりもしない子がいる。
術(すべ)もなく立ちつくしている。
そんな授業でいいのか。
なんとかならんものか、と思っていた。
そんな折、「たまご割りサッカー」に出会ったのだった。
当時、校内で採り入れている先生は一人もいなかった。
知らないのだ。
それから20年近く経過している。
今では当たり前のように行われているのかもしれない。
参観した授業
間もなく、授業開始の時刻だった。
運動場に出ると、コートはすでに出来ていた。
図のようなコートが6つ用意されていた。
▲・・・コーン
●・・・攻撃側の子3人
○・・・守備側の子3人(楕円の中)
矢印のように●からボールを蹴り、卵(楕円)を通過すれば得点となる。
試合は、3分間。
先生の合図で始め、終わる。
つまり全6コートでゲームが一斉に行われるのである。見学チームはない。
守備側の子がボールをとった場合は、反対にいる攻撃側にパスをする。
笛の合図で攻守交替。
相手チームを変えて、また試合が行われていく。
授業者の言葉は短い。
次のような指示や投げかけがあった。
・「勝ち負けを決めましょう。」(試合終了の合図の後の指示)
・「交代!」
勝ったら右のコートへ移り、負けたら左のコートへ移る指示だ。
子ども達の移動中、リズム太鼓がBGMのように鳴っている。
・「相手チームが決まったら集まります!」
その指示とともにリズム太鼓がトントンと鳴る。
・「コーンと人との間をねらうといいよ、と教えてあげている人がいました。」
活動の評価を入れている。
発問があった。
思いっきり蹴るにはどうしたらいいのでしょう。
ここまでお読みいただければ、授業の考え方、システムがお分かりかと思う。
体育授業のシステム化とは何か。
八和田清秀氏は
「個人差を吸収し,どの子どもにも最適の運動をさせる」(体育通信No.158)と述べている。
この「個人差を吸収した」という言葉の中には、
・誰でも参加できる
・誰でも上達する
・誰でも楽しめる、という意味がある。
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