6年生の理科授業を受け持っていました。
年度初めに準備しておくとよいことがあるので、老婆心ながら記事にしてみました。
みなさん、指導経験豊かなベテランかと思われますが、お役に立てたら幸いです。
はじめに
6年生の理科授業における準備は結構、大変です。
大別すると3つあるように思います。
1.年間を見通しての購入計画を立てる。(薬品、消耗品、実験器具類等)
一覧にして提出。
※折を見て、備品の保管場所および数の確認、器具の動作確認をしておく。
2.栽培・飼育をしておく。(ホウセンカ、じゃがいも、コマツナ、メダカ)
4月~5月に種まき。除草、虫害防除。
3.実験の数週前および当日
予備実験。
器具類を出して班ごとに仕分けしておく。安全の確認も。
温度計、ビーカ、方位磁針などは他学年と使用時期が重なることがあります。
使おうとしたら、理科室からごっそり「なくなっている!」
なんてことがあるのです。
数週間前くらいから、
授業の進み具合について情報交換しておくといいと思います。
私は、使用期間を予約する張り紙をしておきました。
4月の仕事 1 (ホウセンカの栽培)
ホウセンカの種まきをし、育てておきます。
白い花が咲くホウセンカです。水の通り道を調べる実験で使います。
白花ホウセンカの種は教材社に頼めばもってきてくれます。
勤務校の6年生は約150名の4学級でした。
1学級8本(8班)使うことにして、4クラス分と予備を含めて
40~50本近くを育てておきました。
プランターでも大きく育ちます。
60cmのそれに2、3株植えました。
この用意ができなければ、
ジャガイモかヒメジョオンで実験を行うことになります。
なお、来年度用にタネとりをするときは、注意が必要です。
下学年でもホウセンカを育てていると思いますが、離れた場所で栽培すること。
近くに植えると「交雑」するようです。白い花ではなく、ピンクになってしまいました。
4月の仕事 2(コマツナの種まき)
「コマツナ」は、単元名「生物のくらしと環境」で使います。
植物が酸素を出しているかをコマツナで調べます。
4月の下旬に学年園に種まきをしました。
暖かい日が続いたことで、すぐに発芽しました。
これで授業の準備は万端整った、と喜んだのもつかの間。
5月の連休明けに間引きと水やりに行ったら全滅していました。
葉っぱがぼろぼろです。
芯(葉脈)だけになって食われてました。
防虫ネットをするか、それなりの防除をしておかなければいけませんでした。
鉢植えの植物でも実験はOKですが、実験は結局しないことになりました。
4月の仕事 3(じゃがいも)
3月に種芋を植えていると思います。
今、芽が出始めている頃でしょうか。(地域によってはこれからでしょう)
草丈が伸び始めたら畑の一角を「遮光」します。
日光と成長の関係を見せるためです。
この作業は少々手間です。
光がほぼ入らないようにしないと「成長の違い」が顕著に出ませんでした。
授業では、教科書の写真で補うことになりました。
4月の仕事 4(メダカの飼育)
5年生が各クラスで飼育を始めます。
メダカは6年の理科でも使います。
教科書に「血液の流れ」を観察する活動が出ています。
そこで理科室で飼育をすることにしました。
5年生からメダカを「借りてくる」こともできますが、
自前で用意します。
世話をしている5年生にとっては「愛着」もわいているかわいいメダカです。
実験に使って弱らせてしまうと「返せない」ことも起きかねません。
それで、別個に飼うのです。
学習が終わったら、5年生に引き取ってもらいます。
参考
年間の購入計画を立てる上での参考です。
【物の燃え方】
・気体検知管 現有数と使用期限の確認、および不足分の発注
酸素用、二酸化炭素用2種類(0.03~1%用、0.5~8%用)
※「呼気・吸気の実験」「植物の呼吸の実験」でも使います。
1本当たりの値段が割としますので、予算と相談です。
・気体ボンベ 酸素、二酸化炭素、窒素
・炭酸水 現有数の確認、不足分の発注
・マッチ、ろうそく
【人や動物の体】
・気体検知管 現有数と使用期限の確認、および不足分の発注
【植物の養分と水】
・切り花着色剤(食用色素も可)
・エタノール 葉にでんぷんが含まれているか調べる実験で使用。
1本の値段が意外に高め。
【大地のつくりと変化】
・火山灰 理科実験カタログで購入
【水溶液の性質】
・実験用ガスコンロのガスカートリッジ
・炭酸水
・気体ボンベ 二酸化炭素
・薬品 塩酸、アンモニア水
【電気と生活】
・コンデンサー、発光ダイオードの動作確認
・豆電球の規格の確認(2.5V用)