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大地のつくり2 (6年理科授業シナリオ)

大地のつくり 6年理科の授業シナリオです。

この記事は「大地のつくり1」に続くものです。
授業づくりの参考にしていただけたら、幸いです。

内容

4.化石とは?  ・大昔とは?  ・「生活していた跡(あと)」とは?  ・恐竜の話
5.地層のでき方 ・水のはたらき、とは?  
6.堆積の実験  

4.化石とは?

第4時の授業シナリオです。
地球の誕生からの長大な時間の流れを感じさせたい、と思います。

化石の写真を提示して始めていきます。

T:何でしょうか?

C:葉っぱのような・・・。

T:これは、シダの化石です。
  シダって植物を知ってますよね?

子ども達は、シダを知りません。

林があるところに行くと生えていますが、
市街地が学区の子ども達は、見たこともないようです。

その写真を化石のそれと並べて見せました。

Ri-せん

ところで「化石」とは何ですか?     

その言葉自体は、幾度となく聞いたことがあるはずですが、
子ども達はうまく言えません。

何人かが教科書に説明が載っていることに気が付きます。

化石・・・大昔の生き物の体や生活していたあとが、大地に埋もれてできたもの。

全員にこの部分を音読させます。

読んだだけでは、化石が「分かった」ことにはなりません。 
もう少し、突っ込むことが必要です。

Ri-せん

大昔とありますが、それは、どのくらい前のことなのでしょうか?  

C:恐竜の生きていた頃じゃないかな。  
C:地球が出来てしばらくしてからかな。

T:およそ6億年前です。 そう言われてもピンとこないでしょう?  

説明する

大昔」とはどのくらい昔のことなのか?

巻き尺を取り出し、教室の端から端へと伸ばします。

T:約7mが 地球の歴史46億年だとします。
 「大昔」とは、終わりの端から80cmくらいのあたりです。
 それ以前は、生物はいなかったようです。 

T:人(ホモサピエンス)が現われたのは、地球のながーい歴史からすると、ごく最近といえます。
                          ホモサピエンス いつから – Google 検索

生活の跡(あと) とは?

次に、生活していたあととは何かの話をしていきます。

投げかけてみました。
数人が答えますが、大方はハテナの顔をしています。

Ri-せん

「生活していたあと」とは、足跡、巣、糞などです。
それが化石になっています。
では、「生き物の体」とはなんでしょう?                           

C1:とか、です。
  そう言えば、理科室に「マンモスの毛」の標本がありました。   

C2:貝殻は、生きものの体と言えるけど、葉っぱは「体」といえるかな。 

次時は、化石の映像を見せていきます。

分かること

第5時は、化石の写真の提示から始まります。

T: 魚の化石です。サバだそうですよ。群馬県の山の中で見つかりました。

C3:群馬県は海はないのになんで海の魚の化石があるんだろう。

C4:誰かが捨てたのかな。でも、
   動物に食べられたり腐ったりするから形が残っているのは、
   ありえないかぁ。  

C5:そこは、昔は海だったのかもしれないよ。   

Ri-せん

大昔は、海だったのではないかと考えられます。
このように化石から分かることがあります。それは何でしょうか?   

以下の考えが挙がりました。

その土地がどんなところだったか?
 例えば、海だったとか、湖だったとか土地の様子が分かる。

気候が分かる。
 サンゴの化石が出れば暖かい海があるところです。
 針葉樹の化石なら、寒い地方だったと分かる。  

大昔にどんな生き物が棲息していたのか?

その生き物が生きていた年代が分かる年代測定法についても話しました。
                                年代測定法 最新 – Google 検索

恐竜の話

授業は、今日も映像をスクリーンに映して始まります。
この日は、恐竜の話です。

六年生にもなると、
夢中になっていたその熱は冷めているようですが、
教材研究をしていると面白くなってきて、
話したくなります。

T:恐竜の足跡です。
  これから、どんなことが分かるでしょうか?

足跡も化石です。
これから恐竜の大きさ、歩く速さ、群れの大きさが分かることを話しました。
もう少し、恐竜について実感させます。

T:この恐竜(フクイサウルス)の大きさは、どのくらいでしょうか? 

教室の床から天井までおよそ3m。
この恐竜はそれ以上の4m。その大きさに子ども達は、びっくりします。

 T:この恐竜が目の前に現れたら怖いですよね。
   でも大丈夫。人間は、襲われませんでした。なぜでしょう?

反応がありません。 
話を続けます。

T:恐竜がいたのは1億2500万年前。
  一方、人類が地球上に現れるのは25万年前。恐竜のいた時代よりはるか後のことです。
  恐竜はすでに絶滅していたので、人とは出会わないんです。

ミニ知識として、もう少し恐竜について触れます。

T:どこでしょうか?

 C5:JR福井駅と書いてあるよ。
 C6:駅前で恐竜が出迎えているんだね。

T:先生の子どもの頃、
  日本に恐竜はいないと言われていました。
  ところが、1978年(50年前)、岩手県で発見以来、
  1道18県で見つかっています。
  なぜ、いないと言われていたのでしょうね。   

恐竜化石が見つけにくいわけを話し合うのも面白そうですが、その時間の余裕はありません。

恐竜の足跡からなにがわかるの?|恐竜・古生物 Q&A|FPDM: 福井県立恐竜博物館 (pref.fukui.jp)
特集:ニッポンの恐竜時代 2009年8月号 ナショナルジオグラフィック NATIONAL GEOGRAPHIC.JP (nikkeibp.co.jp)

5.地層のでき方 (第6時)

授業づくりについて一言。
作家の百田尚樹氏が「雑談力」を語る本の中で書いてました。

つかみが大事。 TVでも学校でも、寄席でもいっしょ。

私もそう思います。
子ども達を瞬時に引き付けるように工夫します。それには、映像を見せて始めるのが一番です。

* * * * *

さて、
第6時の授業シナリオです。

T: しま模様に見えるのを「地層」といいました。 
   なぜしま模様に見えるかと言えば、
   それぞれ層をつくっている粒の大きさや、色が違って積み重なっているからでした。 
   このような地層は、どのようにしてできたのかを考えていきましょう。   

子ども達は、即答します。

水のはたらきです

予習をしてきたのでしょう。
そこで、問い返します。

Ri-せん

水のはたらきとはなんですか?      

突然、不規則発言がありました。
火山灰が降り積もってでも地層はできるよ、と誰かがつぶやきました。

それも地層のでき方のひとつです。よくぞ出してくれました。
授業を止めて流れを整理します。

語尾を揃えて、一つは「水のはたらき」。もう一つを「火山のはたらき」としました。
そこで授業を予定していた筋に戻します。

水のはたらき、とは?

子どもから「水のはたらき」という言葉が出ました。
それを受けて、復習をします。

子ども達を立たせます。全員起立です。

Ri-せん

「水のはたらき」とはどういうことか、3つ言える人は、座りましょう。 

答えられたら座れる、
この手法を使うと授業に緊張感が生まれます。

このことは、前学年で習っています。
思い出した子どもが座り始めました。
ここは教師主導でおさらいをしていきます。

削られるところは、この図のどこですか?
石や砂などが積もるところはどこですか?

図を書きながら振り返ります。
「水のはたらき」を3つの言葉で整理しました。

浸食・・・土地を削る
運搬・
・・土砂を運ぶ
堆積・・・積もらせる

浸食・運搬・堆積の3つから地層ができたと考えられる、その手掛かりをみていくことにします。 

手がかり

写真を提示。
れきの層で見られる石の特徴を挙げさせます。

C1:石は、丸っこいです。
C2:角がとれていて川原の石みたいです。
C3:石が運ばれるうちに削られて丸くなるんだよ。

だから水のはたらきだ。

水に棲む生き物の化石の層があります。
大昔、そこは水の底だったということや水のはたらきで運ばれて積もっていったことを引き出します。

大雨の降った川の様子の写真です。

T:この写真からどんなことが分かりますか?

水が濁っていること、
泥みたいな粒の小さいものほど遠くへ運ばれることを確認します。

T:海まで流されると、砂や泥はどうなりますか。

海の底に積もります。
それが繰り返されて地層ができることを導きます。
次時は、そのことを確かめる実験をします。

6.堆積の実験

大地のつくり。
第7時の授業は実験です。

T:海まで運ばれた砂や泥は、どのように積もるでしょうか?  

C4:大きな石は、重いので海まで運ばれることはないと思います。  
C5:粒が小さいものほどゆっくりと沈んでいきます。
   だから、小石や砂の方が早く沈んで、泥はその上に積もります。    

実は、ペットボトルを持って来るように言ってありました。
いつ使うのかと子ども達はそわそわしていますが、
まだです。

説明してしまう

図を提示。
T:何を調べる実験ですか?

この日は、砂・泥がどのように堆積するかを調べるのでした。
その仕方を説明していきます。
教師主導です。

T:初めに砂を入れます。
  砂は3cmくらい、次に水を8分目くらい入れます。

Ri-せん

次に、砂・泥・水を混ぜたものを半分ペットボトルへ入れます。
「静かに置いておく」とあります。それはなぜですか?

C:泥が沈むのに時間が必要だからです。

T:どうなると思いますか?

4択です。
図にしておきました。

ほとんどが「う」に手を挙げました。

結果を知ってから実験をする

実験の結果を教科書で確かめます。
実験を実際にする前に、子ども達は結果を知ることになります。

T:写真からどんなことが分かりますか?

C1:地層のように「しま模様」になりました。
C2:混ぜたものを入れたのに、砂と泥は分かれています。
C3:砂と泥が順番になって、砂の上に泥があります。
C4:粒の大きい砂は早く、小さい粒の泥はゆっくりと沈むからです。

T:このことから 地層はどこでできると考えられますか?  

C5:水の中です。
C6:海や湖の底です。     

地層はどのようにしてできたのか、まとめをノートに書かせました。

その検証としての実験をしました。

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