授業を「10問テスト」から始めることがあった。
こんな様子である。
「こんにちは~」と言いながら教室に入っていく。
独特の抑揚をつけて言うからか、子どもが笑う。
私の口ぶりをまねて「こんにちは~」と返す子もいて
それも面白くて教室はにこにこになる。
視線を交わしながら教卓へと進んでいく。
子ども達と向き合い、「全員起立!」と号令をかける。
続けて、10問テスト! と宣言する。
もうお気づきかと思うが、「気を付け、礼!」はない。
「10問テスト」とは何か。
説明はいらないと思うが、以下は念のため。
10問テストとは何か
口頭で問題が10問、出るのである。
その問題は、前時までに習ったことであり、定着させたい事柄だ。
答えが言える人は、黙って座ることになっている。
答えが浮かばないと着席できない。
これが怖い。
学習したことが身についていないことがはっきりしてしまう。
が、それも一時のことで答えはすぐに知れる。
直後に答えが明らかになるからである。
「ああ、そうか」で復習になる。
答え合わせはすぐに行う。
指されるのは、最後の方に座った子どもである。
先生が言ってもいい。
怪しい子どもに当てることもある。
これをテンポよくやる。
例を挙げてみる。
問題の例
「全員起立!」で子ども達は、スタンバイをしている。
しん、としているところへ問題を出して行く。
1問目、 7×4!
簡単である。
ざっと子ども達が座る。
せーの! と促すと子ども達が「28」と答える。
2問目! という合図で子ども達は、すぐに立つ。
3×15
座れない子どもがぽつぽつ出てくる。
当てられた子どもが「45です。」と言う。
ここから、少しずつ難しいものへとしていく。
以下略
道具の名前を問うこともある。
「1Lます」を見せてこの道具の名前は? と問う。
前の学年で習っているはずだが案外、言えない。
ビーカーなどという子どももいる。
「1Lます」を出したのは、意図がある。
そこから単位換算に移るためだ。
4問目、1Lは何mL?
1000mLです。
これは、勉強したばかりだ。
5問目、給食に出る牛乳パックは何mL?
中身を抜いてある現物を見せることもある。
この10問テストで「答え」をノートに書かせることもある。
書かせる
ノートの余白に書かせる。
10問出し終えてから答えを私が言い、丸をつけさせる。
全問正解なら10点満点だ。
正解した〇を数えさせる。
全問正解者に手を挙げるようにいう。褒める。
9点だった子も聞く。これもほめる。
8点以下は、問わない。