参観した「体育の授業」を紹介します。
以下、縷々述べる内容は、
2010年3月28日と同年6月18日に行われた公開研究会で聞いた話がもとになっています。
1.授業はシステム
2.40m走入れ替え戦(3年) →Jump there.
1. 授業はシステム
小学校で最も重要なことは、一定の距離を全力で走ること。
年に1度の運動会を除けば、
多くの子どもにとって全力で走る経験はそうはない。 だからこそ、授業の中で行う。
こう提案するのは、S先生。附属小学校の教諭(当時)だ。
その主張にはっとさせられた。
かつての学級の子どもの走る様が、浮かんできた。
のろのろと走っているのである。
もっと速く走れるはずだ。全力を出しているのか?
頑張っているようには見えない姿に、怒りに近い感情がむくむくと湧いてきた。
情けないことに、
自らの授業力を問題にしないで、子どものせいにしていた。
体育の授業は「システム」だ。
それがないと45分の半分も子ども達は運動をしていない。
これでは、体力・運動能力の向上は望み得ない。
2.40m走 入れ替え戦 (3年)
見事なシステムがあった。「入れ替え戦」だ。
走った結果(順位)によって次に競争するメンバーが入れ替わっていく。
もう少し、具体的に書く。
40mを4人が競走する。
記録は、上位2名しかとらない。
1位になると上位グループに移る。
4位は下位グループに行く。
学習の場は、下図のとおり。
スタート地点(S)には、記録係とスターターがいる。
ゴールには、計測の先生と合図をする子ども。
順番を待っている(走り終えた)子ども達は、体育座りで声援を送っている。
走者は、みんなからの応援の中を走る。
順位は、自分と同レベルのグループへ入るもととなり、タイムは自分の走力だ。
この教材は、
自身の記録が伸ばせるよう、走り方を考えることにつながっていく仕組みだ。
先生から、自分の最高記録を伸ばす意欲づけがなされた。
新記録が出た人、起立! ・・・はい、拍手。
続いて、走力を均質化するシステムにスイッチが入る。
チームで1番だったの人、立ちなさい。一つ左に動きなさい。
(次に走る仲間の確認がなされる。)
ノートに今のチームを書きましょう。
「40m入れ替え戦」の授業はここまで。
およそ20分間であった。授業の後半はボール運動になった。