どれも無色、透明。 溶けているものは何か?
いよいよ本単元の内容に入ります。
ビーカーを4つ(もしくは、画像を)提示して問います。


ビーカーに水溶液が入っています。
共通点は?

4つとも無色 透明です。

この4つは、食塩水、薄い塩酸、薄いアンモニア水、炭酸水です。
水溶液の名前を伝え、問題を板書しました。
問題 4つの水溶液には、何がとけているのだろうか。
子ども達は、問題をノートに写しだしました。赤鉛筆を使って枠で囲んでいます。
ここからが本題。
授業は、それぞれに何が溶けているのか探求へと向かいます。
初出の「塩酸」と「アンモニア水」は説明が要る
子ども達にとって初出のものがあります。
「塩酸」と「アンモニア水」です。
そこで説明をしました。


これが塩酸です。劇物です。これはその容器。
鼻がつん、とします。
とても危険なので薄めて使いますが、実は
みなさんの体の中にあるんですよ。

ひょっとして・・・胃酸?


これが「アンモニア水」です。200円くらいで売ってます。
みんなの家にあるかな。
虫さされ用、染み抜き用などに使います。
これも刺激臭がします。授業では薄めて使います。
何が溶けているか、調べる方法を問う
何が溶けた水溶液なのか?
すぐに答えてしまう子どもがいます。

塩酸は、「塩化水素」が溶けたものなんだよ。
アンモニア水は、アンモニアというこれも気体ですね。
塾などですでに知識を得ている子ども達です。
彼らに活躍してもらっても構いません。
問題は、初出の液体について「溶けている物質」を問うこと自体です。
アンモニア水には、「アンモニア」が溶けている。
塩酸は、「塩酸」が溶けている。
これから学ぶ知識として、初めに頭の片隅に置いておく意味はあります。
子ども達に投げかけた問題は、「何が溶けているのか」でした。
そこから一旦離れます。
調べる方法を話し合うことにしました。

何が溶けているのか最後に分かるよ。楽しみだね。
ところで、この4つのビーカー、
どれが何の水溶液か、どのように調べたらいいでしょう。
ノートに「調べる方法」とタイトルし、箇条書きにするよう指示します。
1分後、言わせていきました。
C:まず、見た目で分かります。
泡がついているので、炭酸水だと分かります。
C:臭いで分かります。
さっきの先生の話では臭いのするのがあるので、臭わないものは食塩水です。
C:でも、すごく薄めてあったら臭わないかもよ。

舐めるのはどう? しょっぱかったら食塩水だよ。
C:じゃあ、塩酸とアンモニア水も味を見るわけ?
C:安全な方法とは言えないよ。
C:水溶液は、蒸発させると溶けたものが出てくる、と習ったよ。
C:食塩は、白い粉が出てくるよ。
C:石灰水も調べる方法の一つになるよ。
炭酸水の泡は、「炭酸ガス」で「二酸化炭素」のことじゃん。
だから炭酸水に入れれば、白濁する。
C:「入れる」と言えば、金属を入れるのもいいかも。
C:なんでそんなことを思い付いたの?
C:温泉に行ったとき、鉄を溶かしちゃうって聞いたよ。
C:食塩水だと鉄は錆びやすいから、それで分かるしね。

C:ハーブティを入れてみるのはどう?
レモン汁を入れると色が変わるんだ。
食塩水は、変わらないよ。
自由研究でしたんだ。不思議だったなあ。
※ 「リトマス紙」や「BTB液」というのが挙がってきました。
塾等で習ったのでしょう。
それに代わるものとしてハーブティがありますが、これは私の想定です。
実際、子ども達からは出ていません。悪しからず。
※ 想定外の方法も子ども達から出ているので、紹介しましょう。
・電気を通す。
・冷やす。
振り返ってみれば、このような学習経験はしていたのですね。
授業を進めます。

調べる方法がいくつもでました。すばらしいですね。
では、理科室へ行って調べてみましょう。
その前に・・・。
画像を提示します。
実験を安全に行うための注意を映像を使って理解させます。
理科実験は安全確保が第一 薬品や器具の取り扱い
最近、実験中に起きた事故のニュースが減った印象です。
特段の注意を払って授業を行っているからだと思われます。
教科書も安全に関してページが割かれています。
授業では、画像をプロジェクターで映し、周知させました。
この指導は数十分要します。

1.安全めがねをかける。
うっとおしくなってはずしてしまう子も出てきます。

2.換気する。
換気扇を回すのは、教師の仕事です。

3.水溶液は、さわらない、舐めない。
具体的に名前を挙げます。
今回は、塩酸、アンモニア水、石灰水です。
手に付いた場合、目に入った場合の対処を教えます。

4.水溶液を混ぜない。
実験が早く済んでしまうと、やりだす子どもがいます。
探求心旺盛? 気持ちは分かります。

5.実験後の処理の仕方、器具の取り扱い方を教える。
(1)残った薬品、水溶液は分別して廃液タンクに捨てる。
(2)試験管の洗い方
ブラシで底を突き、割ってしまいます。
「このように」とやってみせます。
(実際は洗う時間がありません。)

(3)片づけの際の「やけど」に気を付ける
器具に触れても大丈夫か、その方法を教えます。
指で瞬間に触れてみる。あるいは、
器具の端から少しずつ触って温度を探っていくか。
生活の知恵ですが、お勧めはしません。

(4)においの嗅ぎ方も教えます。

(5)試験管にラベルを貼らせます。
このラベルも教師が作り、かごに入れておきます。
貼る位置を指示します。
水溶液を入れる量も指導します。
教科書には1/3以下とありますが、1/5程度が適量です。

(6)使用したものは、元のところに戻します。
実験器具はかごに入れセットを作っておきます。
これも教師の仕事。
子ども達は、番号のついたものを自班へ持って行きます。
返却もかごごとです。
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