実験 水に溶けているものを調べる
さて、実験当日となりました。
まず、教卓の周りに子ども達を集めます。
これから行う実験について、注意することや留意点を話します。
子ども達にとって同じ話になりますが、付け足しもあります。
こんな感じで。

水溶液に何が溶けているでしょうか。
今回は、蒸発させる方法で調べます。

子ども達に提示しているビーカーは「ただの水」。ダミーです。
実験に使用する水溶液は、子ども達が指定された場所に取りにいきます。
話は続きます。

まず、「見た目」で。そして臭いを調べてみましょう。
次に蒸発させる方法で調べます。
少量を蒸発皿にとり、コンロで熱します。このように・・・。

細かな指導を入れていきます。
(1)液体の取り方。
ピペットは瓶の中で泡をぶくぶくさせず吸わせ、蒸発皿に入れます。
多く入れると蒸発に時間を要することを話します。
尚、ピペットはその都度、水で洗うよう示範します。
(2)蒸発皿の取り扱い方

完全に蒸発する少し前に火から下ろす。
軍手を使い、雑巾の上に置く。
※濡れた雑巾など、急激な温度差があると割れることがある、と話します。
※器具の破損
片づけの際、蒸発皿を割ってしまいました。
流水に当てたら急にひびが入った、と言います。
軍手をして洗っていて、おかしな洗い方をするなぁと思っていたら、熱かったのですね。
(3)残った水溶液の処理

うすい塩酸は赤のタンクへ、
うすいアンモニア水は青のたんくへ、
食塩水と炭酸水は流しへ、と指示します。
(4)実験用コンロの取り扱い

ガスカートリッジの取り付け方、点火の仕方を教えます。
使ったことのない子どもがいます。
触ると火傷する箇所も教えます。
※ アルコールランプの使用
教科書の改訂前は、アルコールランプを使って蒸発させていました。
実験用コンロとの違いは、加熱の強さです。
温度が高くなり過ぎるので蒸発皿が割れやすいようです。
(5)実験の記録について

表を配っておきます。
各自に作らせたいところですが、こちらで用意します。
その都度、書き込むように指示します。
巡視中にチェックし、よい表現はほめます。
(6)実験の準備
1班は4人構成です。
子ども達は役割を分担し、ラベルをつけた試験管を持って水溶液を取りに行きます。

※用意する水溶液
1)炭酸水・・・市販のペットボトル1本
2)食塩水・・・濃度は適当。
ラベルしてペットボトルに入れておく。
3)塩酸 ・・・200ml
蒸留水150ml + HCL(12N)50ml
4)アンモニア水・・・100ml
蒸留水80ml + アンモニア(15N)20ml
この日は、実験で終わります。
早めに終えた班は、片づけを済ませ学習感想を書きます。
理科学習ではずせない「実験」
「実験は行わない」
令和2年では、このような授業ガイドラインが出ていました。
教育行政としては、そうせざるを得ない立場だったのでしょう。
では、現場はどうしたか?
実験をはずすわけにはいきません。
実験は、理科学習のキモです。
子ども達は、実験をするからこその体験をします。
現象をその目で見、感じ取ります。
それらは、書物や実験動画からでは得られないものです。
例えば、このようなことです。
・塩化水素はつんとした刺激臭があること。
・アンモニアは「二度と嗅ぎたくない強烈な臭い(子どもの感想)」であること。
コロナウィルス感染拡大防止策をとって実験は行いました。
器具の扱いも、貴重な経験となったはずです。
実験後は、結果の共有から始める
日が改まりました。
前時までの振り返りは、授業者が進めた方が効率的です。
実験結果を発表させ、次の2点を導きます。
1.食塩水は固体(食塩)が溶けていた。
2.他の3つは、蒸発させた後、何も残らない。
したがって、気体が溶けていたと考えられる。
子どもの発言に対して問い返しをしています。

なぜ気体だと考えられるの?
子ども達は、いくつか挙げていました。
・強い臭いがした。(塩酸やアンモニア水)
・炭酸水は、熱する前から泡を出していた。
・この3つの水溶液は蒸発させると何も残らない。
・「気体」は空気のように見えないもの。それが溶けていたので何も残らない。
※ 気体が溶けていた水溶液でも蒸発させると何かが析出したように見えます。
白い筋の様になったのは水道水で希釈したためだと思われます。
子ども達には「不純物」が溶けていたと説明します。
きちんとした条件の下では何も残らないことをしっかりとおさえます。
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